トヨタへの信頼が揺らいでいる。日本でトップレベルの経営をしている優等生企業だし、大きな利益をあげていたし、日本の産業の国際競争力を力強く支えていた企業だったから、トヨタの危機は日本の産業の危機と言う人までいるようだ。
しかも欠陥がブレーキとアクセルという最も信頼性が要求される装置だから、なおさら心配だ。プログラムにミスがあるとされるABSというのはアンチロックブレーキシステムの略称である。最短距離で車を安全に停止させるためにブレーキを電子制御する装置だ。
濡れた路面で急にブレーキを踏むと、タイヤの回転は止まるのだが、そのまま車ごと滑ってしまうことがある。こんな危険な動作を防ぐ装置がABSだ。
もちろん昔の車にはこんな高級な装置はついていなかった。それどころか4つの車輪についているブレーキの利き方がまちまちで、ブレーキをかけたら車が別の方向を向いてしまうことさえあった。私も学生時代、自動車部に所属していたので、こんな危険な経験を2回ほどした。その時運転していたのは、いすゞの乗用車ベレットとマツダの2トントラックだった。
ブレーキ制御装置という安全に直結する部分に欠陥があったとすると、大変厳しいミスと言わざるを得ない。仮に1秒作動しなければ、時速40キロで走っていても、約10メートル空走してしまう。

















