「日本風力開発は、英国で次世代送電網(スマートグリッド)を構築する」という趣旨の記事を掲載したのは、2010年1月12日の日本経済新聞朝刊であった。プロジェクトの現場は英国北部のオークニー諸島で、この地域には合計2万5000kW分の風力発電所と7000kW分の波力発電所があり、さらに2万kW分の風力発電所の建設が計画されている。そこへ、大規模なナトリウム硫黄(NAS)電池を導入して送電網全体で需給の調整を行うという。さらにこの記事では、技術の国際標準作りが進行するなか、欧米ではスマートグリッドの本格的な建設も始まっており、高度な電力制御技術を持つ日本企業の進出が本格化するとのコメントが付記されている。
また、2010年1月19日の日経新聞朝刊は、「次世代送電網試験システム、東芝、沖縄電から受注」という見出しの記事を掲載した。沖縄電力が宮古島で行う実証実験は、4000kWの太陽光発電を新設し既設の電力系統に接続、気象条件などで出力が変動した場合に電力系統がどんな影響を受けるのか調べるというもの。
さらに、2010年1月20日の日経新聞朝刊は、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム協議会」がスマートグリッドに関する中間報告をまとめたと報じた。協議会の看板を「スマートグリッド推進協議会」に衣替えし、電力系統や家庭、地域間で、電力や排熱を融通し合う相互補完関係の実現を目指して2030年までのロードマップを作成するそうだ。
米オバマ政権が、環境対策の目玉として取り上げたスマートグリッドだが、世界中を巻き込んで本格的かつ具体的な動きが始まろうとしている。今回はスマートグリッド構想が浮上してからのニュースを追ってみる。



日経ビジネス