2006年から2008年の前期にかけて、メタル資源、エネルギー資源の価格が高騰し、2008年後半にサブプライム・ローン問題に端を発した世界的な経済不況が起こり、メタル価格、石油価格とも一気に暴落した。
これまで、メタル、石油価格は、暴落と高騰をたびたび繰り返してきた。それにもかかわらず、特にメタルにおいては、安定した価格を維持するような産業構造に改良されることはなかった。
価格高騰と暴落の直後は、資源の問題が大きく取り上げられ、国も資源確保のために奔走(ほんそう)するが、価格が安定すると忘れ去られてしまう。資源の安定供給に関する問題の根本的な解決がなされないままに残されているのが、現在の資源供給の姿だ。
政府も資源の安定供給への努力をしていることは、これまでにも、大臣が資源産出国を訪れることなどで理解できる。しかし、いずれも価格が高騰した後であり、それでは遅すぎる。
社会が必要とする資源は1950年代以降、種類、量ともに膨大になり、品質への要求も高くなっている。特にここ20〜30年は、ハイテク産業の発展とともに、レアメタルの消費量が急増し、最も高い増加率を示すのは液晶ディスプレーに使用されるインジウムで、1983年比の25倍になっている。急激な需要の増加は、価格の高騰を引き起こす。
これまでのところ、枯渇した資源はまだひとつもないが、地球の資源は有限であり、現状のままの消費が続けば、枯渇する資源が出てきても不思議ではない状況にある。
資源の安定供給を目指すならば、一時的な価格の高騰に対応する需要予測だけでなく、資源の枯渇性、鉱山開発に要する時間などを考慮した中・長期予測が不可欠だ。
不況を逆手にとり、メタル・エネルギー資源の価格が落ち着いている今のうちに、価格高騰の原因新しい考え方を構築し実行に移さなければならない。
価格が下がり安定してしまうと、資源開発への投資は消極的になる。円高が続く現在ならば、おそらくものづくり産業から鉱山開発までを考えた対策への理解は得やすいだろう。

















