
昨年12月クリスマス当日の米機爆破テロ未遂事件に世界は震撼した。犯人が下着に爆発物を隠していたため、全身透視スキャナーに期待が集まる。だが、プライバシー問題や、そもそもテロ抑止にならないとの見方もある。
空港で飛行機に搭乗する際の検査は既に悲惨なほど煩わしいが、今後はさらに面倒になりそうだ。昨年12月25日の米機爆破テロ未遂事件を受け、各国で高度な全身透視スキャナーを導入する動きが高まっているからだ。だが、この装置導入で世界の航空システムが格段に安全になるわけではない。
航空業界専門のコンサルティング会社ボイド・グループ・インターナショナルのマイケル・ボイド社長は、「(全身透視スキャナーの導入は)対症療法に過ぎない。実際に起きたテロ攻撃に対して、後追いで対策を講じているだけで、事前にテロの脅威を予測し、防衛するものにはなっていない」と話す。
米国と英国、オランダは全身透視スキャナーの増強計画を既に推進中だ。現在19の空港に40台を導入した米運輸保安局(TSA)は、2500万ドルで 150台を購入済みだが、さらに300台購入する予定である。この装置は電波や低レベルのX線で乗客の体をスキャンして詳細な画像にし、衣類の下に隠した武器や爆発物を探知する。
出展:日経ビジネス 2010年1月18日号 96ページ
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