中国を始めとしたアジアに低炭素型の発展が求められていることは、本欄で何度も繰り返して述べたところである。しかし、現実のアジア経済はどうなっているのであろうか。最近、東アジア経済の発展パターンを分析した、きわめて興味深い研究結果が公表されたので、ここに紹介し、地球温暖化防止、ひいては持続可能な発展を可能にする経済のあり様について検討しておきたい。
世界銀行が『東アジアの奇跡――経済成長と政府の役割』(白鳥正喜訳、東洋経済新報社、1994年)を出版した時、その含意は同書の副題「経済成長と政府の役割」にも示されているように、経済成長を実現する原動力としての政府の主導性であり、そこで実現したのは輸出主導型工業化の急速な進展であった。
問題は、こうして実現した経済成長が環境に対してどのような影響を与えているか、という点である。その場合にまず取り上げられるのは、経済成長が環境負荷を増加させるという関係についてである。これはもちろん重要な論点であり、1人当たり所得の増加に応じて環境汚染の程度が上がり、ある一定レベルに達したあと低下に転ずる「逆U字型の曲線」である、いわゆる環境クズネッツ曲線の成立や、環境技術の水準、人々の環境意識や民主主義の成熟度合いといった決定要因を巡る議論も深めなければならない。
















