展示会や国際会議などでシリコンバレーの企業に話を聞くと,予想以上に多くの企業が米Microsoft Corp.の動向を気にしていません。もはや,「イノベーションを生み出さない会社」という認識が広がっているようです。
実際,彼らが強みを発揮するのは後追いのときばかりという印象があります。彼らの主力商品であるパソコンOS「Windows」にしても,GUIの多くが米Apple Inc.の「Macintosh」の後追いでした。最新の「Windows 7」でも,新たに採用したアプリケーションの起動と選択を同じタスクバー・アイコンで指定する機能が,Mac OS Xの「Dock」に類似していることが指摘されています。もう一つの主力商品「Microsoft Office」にしても,当時多くのシェアを占めていたワープロ・ソフト「WordPerfect」や表計算ソフト「Lotus 1-2-3」の後追いと言えなくもありませんでした。もっとも,当時はWindowsのユーザー・インタフェースに適切なオフィス系ソフトが出ていなかったという事情もあります(さらに言えば,Microsoft社製品だけが使えた隠しAPIを使わないと,快適さが出せないという話もありました)。
Microsoft社が現在遅れをとっている市場は,大きく二つ挙げることができます。米Google Inc.が先行しているクラウド・コンピューティングと,Apple社が先行しているスマートフォンの市場です。特に後者に関しては,組み込み向けOS「Windows CE」がなかなか浮上できずにいる中,およそ10年が経過してようやく「Windows Mobile」がある程度普及し,成功しつつあった段階で一気にシェアをさらわれたわけですから,同社としては内心忸怩たる思いがあったことでしょう。さらにその後,Google社の「Android」が一気にWindows Mobileを抜き去りそうな勢いで普及し始めています。
















