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環境

ECOマネジメント

COP15直前、米中豹変の意義とは

伊藤洋一の『BRICsの衝撃』

2009年12月04日  RSS 

 固唾(かたず)をのんで見守っていた私のような人間にとっては、意外感さえ伴うあっけない進捗(しんちょく)具合だった。発表された目標値には疑問もあるし、期待を裏切る面が大いにあるものの、今まで消極的だったこの2カ国の政治にとって大きな前への一歩だし、まだ道のりは遠いことは確かだが、世界にとってもかなりの前進だと思う。

 それはたった2日間で起こった。

 まず米国。ホワイトハウスは11月25日、温室効果ガス排出量を2020年までに2005年比で17%削減するとの目標を発表した。「オバマ大統領が今月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に自ら出席し、米国の数値目標として公約する」という。大統領自ら行くというのが、「米国の政策変更」を世界に印象付けるものとなろう。

 そしてその翌日、といっても時差があるので私の時間感覚では半日もたたないうちの26日に、中国政府が地球温暖化対策として、国内総生産(GDP)を一定額生み出すために排出する二酸化炭素(CO2)の量を2020年までに2005年比で40〜50%削減する目標を発表した。「40〜45%」という大きな数字には驚かされたが、それにはカラクリがあった。それでも、中国も政府要人の出席を確約し、「COP15に温家宝首相が出席する」と述べた。

 これは「米中発表の前に訪中していたオバマ大統領が、中国側とタイミングなどを摺(す)り合わせた共同演出」と見られてもおかしくない展開だった。または少なくとも相互に発表を事前に臭わせていた結果なのではないか、と思える展開だ。実際にその可能性はあるだろう。これまでは世界の温暖化防止努力のなかで、世界第1位、第2位のCO2排出国である米国と中国(最近その順番が入れ替わったが)をいかにその流れのなかに呼び込むかが大きな課題であったことを考えれば、11月の最後の1週間というのは「この2カ国の豹変(ひょうへん)に目を見張る1週間」だったといえる。


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