ポール・ドレイソン 氏
英国ビジネス・イノベーション省 科学技術・イノベーション担当大臣
現役の大臣でありながら、自らレーシングチームを主宰し、レーサーとしてハンドルを握る。低炭素社会の実現のためには「低炭素=クール」という人々の意識改革が必要だと指摘し、発展途上国支援などを盛り込んだ「鳩山イニシアティブ」を高く評価。「英国と日本が手を携え、さらなるCO2(二酸化炭素)削減に向けた国際社会の枠組み作りに取り組むべきだ」と主張する。
文:松平悠公子 写真:吉田明弘
「低炭素=クール」
英国が進める持続可能経済への転換
現在の大気のCO2濃度はこれまでの60万年間で最高レベルにあり、濃度の上昇率も従来にないほど高いのです。英国の科学者のモデリングでは「CO2の累積排出量を1兆トン以下に抑えなければ、人類は生きていけなくなる」とされています。しかし、私たちは既にその50%を排出してしまっており、かつ排出量は増え続けています。それだけに、その大幅な削減が急務となっているのです。
その深刻さを痛切に感じたのは2〜3年前、米カリフォルニアにあるNASA(米航空宇宙局)の施設で極地の氷冠(アイスキャップ)の映像を見た時でした。まるで地球が呼吸をするために、もがいているように思えました。しかし、人間は警告や罪の意識だけで行いを改めようとはしません。ですから、実践的で魅力的な低炭素社会の将来を示すことが重要です。しっかりした科学とクリエーティブな工学に基づいた説明で低炭素社会は人々の生活を改善すること、「低炭素=クール」であることを納得させるのです。
















