50年以上の年月をかけて循環型森林経営を実現した北海道下川町。山村も、企業や街など外部との交流を通じて、自分たちの周りで新しい価値を見付け出していけば、持続可能な地域振興が可能になるという。下川町・安斎保町長と、山村再生支援センター・宮林茂幸代表(東京農業大学教授)の対談の後編を送る。
構成・文/二村高史 写真/渡辺肇之臣
下川町の“価値”と企業
安斎: 下川町では森林組合活動が盛んなために、林業の後継者問題についてはあまり心配していません。林業労働者は森林組合を頼ってやってくるからです。ほかの地域では、「後継者のことが心配」という声を聞きますが、そうした不安は今のところ下川町にはありません。
課題といえば、労働力の確保ではなくて、冬期の作業をどう確保するかですね。これから事業が順調に進んでいけば、冬期も山づくりに入ってもらって、それなりのお金がかせげるようになると思います。
それにしても、林業労働者には心底この仕事が好きな人がいますね。大学を出て新規に森林組合にやってくる人もいて驚きます。
宮林: それは林業の仕事自体が魅力的だからですよ。都会のオフィス業務とは違って、結果がすぐに目に見えてくるのが大きい。自分の働きによって炭ができたり、アロマオイルができたりといったように、商品に結びつくことで非常に魅力的な仕事になっています。
また、林業に環境の守り手としてのやりがいを感じたり、林業の健康的な生活に憧れる人も増えているかもしれません。
私の所属している東京農業大学の体育の先生が、ある山村で、お年寄りの“元気度”に20歳の差があるというのです。つまり、山村の80歳の人は都会の60歳並の元気度だというわけです。
















