従来に比べ規模が縮小された今回の「東京モーターショー2009」では、これまでは別のスペースで行われていた2輪車の展示も、4輪車と同じスペースで行われていた。そして、2輪車の世界でも電動化や燃料電池の導入など、より環境配慮を意識したパワーソースへの移行期を実感させるモデルが多数展示されていた。
4輪車と2輪車のブースを統合する形の展示を行ったホンダは、伊東孝紳社長が報道機関向け会見において、「ホンダは2輪も4輪も持っている強みを生かして、環境エネルギー技術のトップランナーを目指す」と宣言し、モビリティーが多様化する時代に2輪車を開発していることが強みになるという考えを示した。
電動モビリティーの可能性を提案する同社の「HELLO!(Honda Electric mobility Loop)」ブースには、4輪車の電気自動車(EV)だけでなく、電動の2輪車やパーソナルモビリティーも合わせて展示されていた。このブースで注目を集めていたうちの1台が「EV-Cub」だ。1958年に登場した同社のロングセラーモデルであり、累計で6000万台以上を販売するという代表的なモデルである「スーパーカブ」を電動化したコンセプトモデルであるこの「EV-Cub」は、前後にインホイールモーター(ホイールに組み込まれた形状のモーター)を搭載。リチウムイオンのバッテリーをフレームの中心部に配置し、「スーパーカブ」で燃料タンクが搭載されるシート下には、専用のヘルメットを収納できる構造としている。
「EV-Cub」はコンセプトモデルのため、航続距離や出力などのデータは未発表だが、デザインのベースとなった「スーパーカブ」がカタログ燃費でガソリン1リッター当たり110kmもの低燃費を誇るだけに、電動化による二酸化炭素(CO2)削減効果は少ないようにも思える。しかし今回、デザインを手掛けた本田技研 二輪R&Dセンターの渡邉徳丸主任研究員は、「電動化によって、スーパーカブ本来の魅力がより際立つこともある」と語る。「スーパーカブ」は樹脂製のカバーを被せることでエンジンが目立たないようにしている。足をあまり上げなくてもまたぎやすい構造とすることで女性もユーザーに取り込んだモデルである。電動化することで排気ガスも排気音も出さず、股下に位置するエンジンが不要となることで構造的にもさらにまたぎやすくできるため、より女性にも使いやすくなるという。
















