トヨタ自動車が愛知県で進めるエコカーのテストコース造成事業が、生物多様性を損なうとしてNGOの批判を浴びている。企業にとって生物多様性は法令順守だけでは足りない。評判リスクが足元をすくう。
愛知県豊田市と岡崎市の境にある下山地区に広がるのどかな里山。稲穂が揺れる水田と雑木林が織りなす、日本のどこにでもある風景だ。ここが今、生物多様性を巡って巨大企業とNGO(非政府組織)がせめぎ合う舞台になっている。巨大企業はトヨタ自動車。NGOは日本野鳥の会をはじめとする19の市民団体だ。
トヨタはこの地域に、電気自動車やハイブリッド車など次世代エコカーを開発するためのテストコースを造る計画を進めている。総面積は660haと東京ドーム141個分。愛知県企業庁が里山を買収して用地を造成し、トヨタが購入してテストコースを造る。6kmと4kmの周回路や2kmの直線コースなど 14コースを設ける予定で、2010年の着工を予定している。
これに対し、大規模な里山開発は生物多様性上問題だとしてNGOが待ったをかけたのだ。一帯には絶滅の恐れのある生き物が30種以上生息する。今年7月には、計画地で絶滅危惧種(IB類)に指定されている鳥のミゾゴイの営巣が見つかり、NGOの反対運動はヒートアップした。トヨタの豊田章男社長と愛知県の神田真秋知事に代替地の検討を求める要望書を送り、県に対してこの地域をラムサール条約湿地に登録するよう検討を迫った。
















