「応募が増えたことはいいことなのですが…」
訪問介護大手、やさしい手の担当者はこうつぶやく。
不況下で職を失った人々が再就職先として目をつけるのが、人材不足に悩まされ続けている介護業界だ。特に不安定な処遇によって振り回された派遣社員が、「正社員」の座を求めて介護職を希望するというパターンが増えているという。
やさしい手では応募者の人数は昨年の約2倍で推移している。業界全体でもそうした介護人気の傾向は見られる。今年7月の介護職の有効求人倍率は1.31と昨年同月の2.24からは1ポイント近く低下したものの、全業種の0.42倍に比べると3倍以上の水準を保っている数少ない人手不足産業だ。新規の人材は救いの手とも言えるが、実際にはそうとも言えない事態に陥っている。
理想と現実のギャップ
「高齢者のおむつ交換は赤ちゃんのおむつ交換と違うもの。想像していた以上に大変と、入社後、数回来ただけで辞めてしまった人もいる」と、ある介護施設の職員は困惑を隠せない。
応募者の大半を占める他業界からの人材は介護の理想と現実のギャップに耐えきれず、長続きしないケースが頻繁に起きているという。
出展:日経ビジネス 2009年9月28日号 14ページ
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