前回は定量的なスコアリングによって特許を評価する利点を検討した。今回は「特許がいくらなのか」という経済的評価で稼ぐ方法を考える。
ここ数年にわたり「知財経営」という言葉が流行した。このためか、経営陣が知財部門に「いざというときのために自社の知財の価値を算出しておくように」という宿題を出すケースが増えたようだ。残念ながら「いざ」というときのための知財評価など存在しない。われわれの身の回りにある様々なものの値段は時間と状況にあわせて変化する。知財も同じだ。
一般的に知財の評価には「マーケット・アプローチ」や「インカム・アプローチ」、「コスト・アプローチ」などの経済的評価手法が応用できる。同じ知財を同じタイミングで評価しても違うアプローチを選べば結果は異なる。しかしこれは奇異なことではない。マンションを例に挙げると、自宅としてマンション購入を検討するなら希望タイプのマンションの一般的な価格を調べるであろうし(マーケット・アプローチ)、賃貸による家賃収入を期待するなら、将来回収できそうな家賃を念頭にどの程度のマンションを購入するかを考えるであろう(インカム・アプローチ)。非現実的な例だが、自分で土地を購入し、「そこにゼロから家を建てるとしたらどれくらいかかるか」を考え、「それなら建築済みの家を買ったほうが安いかもしれない」と考えることもあるかもしれない(コスト・アプローチ)。
















