厚生労働省のまとめによると、全国の児童相談所が2008年度に対応した児童虐待の相談は前年比5.0%増の4万2662件(速報値)と過去最多となった。統計をとりはじめた1990年度から一貫して増加を続けている。また2008年度から可能になった、児童相談所による家庭への強制立ち入り制度「臨検・捜索」を適用したのは2件だった。
臨検・捜索を実施した2件の事例では、合計4人の子どもを一時保護している。1件目の事例では転居後に子どもの転校手続きなどがなく、親が関係機関の連絡に応じないうえ、アパートの部屋から異臭がしていた。知事からの2度の出頭要求にも答えなかったため、児童相談所が家庭裁判所の許可を得て、アパートの合鍵で解錠し、アームロックを切断して、警察の援助のもと子どもを保護した。
もう一方の事例も子どもの未就学状態が続き、児童相談所などが家庭を訪問しても親が面会を拒否したうえ、住居内はゴミだらけで異臭が漂っていた。同様に児童相談所が合鍵で解錠して子どもを保護した。
厚労省の集計によると、2007年1月―2008年3月に虐待による死亡が確認された子どもの数は142人。そのうち家族の心中・心中未遂が64人、それ以外が78人。死亡した子どもは0歳児が5割弱で、母親の状況は「若年妊娠」「望まない妊娠」などが6割弱を占め、「育児不安」「うつ状態」などの割合も高い。
厚労省は自治体に対し、養育支援を必要とする家庭を早期に発見して必要な支援を行うことや、望まない妊娠に悩む人が相談しやすい体制を整備すべきと提言している。また国に対しても、乳幼児のいる家庭の訪問が適切に進んだ事例や、望まない妊娠に関する相談の取り組みについて情報を収集し、各自治体に伝えるべきとした。
■関連情報
・厚生労働省のWebサイト http://www.mhlw.go.jp/


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