給料も、夏のボーナスも驚くほど減った。こんなサラリーマンの家庭では、夫と妻の戦いが大詰めを迎えている。どちらが勝つかは夫婦によりけりだが、不況下で勝つのは当然、「節約家」。だが政府・与党が示した2009年の「骨太の方針」では、節約家が大敗した。
財務相に「失望」
「与謝野馨財務・金融・経済財政相が、頑張ってくれると思ったのだが」。政府が23日にまとめた「骨太の方針」は、小泉純一郎政権以来、毎年の予算編成の方針を示してきたが、今回ばかりは民間エコノミストから、あきらめにも似た失望の声が漏れた。
理由の1つが、「社会保障費の増加を2007年度からの5年間で1兆1000億円、毎年2200億円抑制する」という歳出削減目標が完全に崩れたことだ。「地方では医師不足が深刻だ」といった与党議員の声に押され、与謝野財務相が「2010年度は社会保障費の自然増をそのまま認める」と発言。目標は事実上、葬り去られた。
だが、実際には医療などで削れるコストは多い。大学病院で働くある勤務医は「100円ショップにもありそうな容器でも、医療用具となると数千円する。コスト意識が薄すぎる」と話す。患者を「薬漬け」「検査漬け」にするほど儲かる仕組みを改めなければ、民間では当然の「安価で質の高いサービス」にはたどり着かない。
出展:日経ビジネス 2009年7月6日号 10ページ
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