ワールドカップ本戦進出を果たしたサッカー日本代表の「陰のサポーター」。ニットの丸編み技術を追求し、衣料、自動車、医療分野で引っ張りだこに。開発を支えるのは、環境変化に臆せず、成功体験すら「捨てる勇気」だ。
6月7日(日本時間)、サッカー日本代表はウズベキスタン代表とタシケントで対戦。試合終盤は相手に押し込まれながらも辛くも勝って、2010年のサッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会への切符をつかんだ。
気温の変化が激しい、過酷な環境で選手を支えたのは日本から詰めかけた熱い応援団だけではない。選手にとって一番身近なサポーターは、暑さを和らげるウエア。その技術の中核を中小企業が握っているとは、恐らく選手自身も知らないだろう。

福井県越前市に本社を置くミツカワは、サッカー日本代表のユニホームの生地を編んでいる。「吸汗という概念は当社が作った」と胸を張るのは光川幹雄社長だ。同社は、今では定番となっている汗を逃がす服地を開発した企業で、機能性衣料開発の先駆けとして知られる。
縦糸と横糸を交互に織り込む布と違い、セーターのように糸を編み込む丸編みという技術を研究。ニットは布より伸縮性に富み、空気を通しやすいが、分厚くなるデメリットもあった。
出展:日経ビジネス 2009年6月29日号 52ページ
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