老舗百貨店の閉店が相次いでいる。過去に成功を収めたビジネスモデルは変化への対応が難しく、陳腐化しがち。ビジネスパーソンも同様だ。常に自らの刷新を図らなければいけない。
百貨店の閉店に歯止めがかかりません。2008年度には日本全国で7店舗が閉鎖。2009年度も、歴史の長い三越池袋店やそごう心斎橋本店を含め、8店が閉鎖しました。さらに、2010年度は西武有楽町店、四条河原町阪急の閉店が既に決まっているほか、松坂屋名古屋駅店も閉鎖を検討しています。
この状況は、そごうの破綻により11店舗が閉鎖した2000年度と同じ水準です。もともと百貨店の軒数が全国で300店舗ほどであることを考えると、10 店前後の閉鎖が毎年起きるというのは、この業界全体が大きく縮んでいる証しです。
なぜ閉鎖が続くのか。もちろん、売り上げ不振で採算が合わなくなったことが最大の理由ですが、やはり百貨店のビジネスモデルが陳腐化したという観点から分析することが必要でしょう。
もともと百貨店の存在意義は、高品質な商品を幅広く揃え、顧客に「少し贅沢なサービス」を提供することにありました。高度成長期において中産階級がどんどん増えるとともに、成長していく業態だったのです。言い換えると、需要過多で、かつ顧客側に商品情報が乏しい時代に、コンシェルジュとしての役割を担うことで、高い粗利益率を出せていたわけです。
実際、私は今41歳ですが、今から30年以上前の幼少期の頃、親と百貨店に行くのは、週末の最高のイベントの一つでした。日曜日、東京の銀座や日本橋にマイカーに乗って出かけ、洋服を買ってもらい、食器を見て、屋上で遊び、レストランで食事し、そしてデパ地下で地元のスーパーでは買えない物を買って帰るのです。
しかし、時代が進むと、マイカーは多くの人が利用するようになったため、逆に百貨店に行くには不便な乗り物となりました。カテゴリーキラーやファストファッションの普及で、百貨店以外でも高品質な洋服を安価に入手できるようになりました。食器類はオンラインや専門店で買う方が便利になり、屋上の遊びはテレビゲームに取って代わられ、外食チェーンが発展する中で百貨店のレストランも割高となりました。百貨店に唯一残った強みは、デパ地下の食料品だけでした。
しかし、それだけに頼っていては、利益率も客単価もこれまでのビジネスには遠く及びません。利益率の低下に対して、同じ売り場の従業員を半分にするようなローコストオペレーションに踏み切り、成功した百貨店もあります。ですが、それでもスーパーなど他の業態よりはコストが高いため、現状の売り上げを維持し、何とか利益をひねり出すので精いっぱいです。






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