――今回は、リーダーとしての意思決定の仕方、部下の育成について伺いたいと思います。
小林 組織として自分の部下が意思決定する場合と自分自身が意志決定をする場合とがありますが、まず自分自身の意思決定の話をしましょう。
自分自身が意思決定する時は、基本的には「チームでの納得感」を大事にしています。実はこれは、若い頃とは正反対なのですけれども。
20〜30代の頃は「正しいことの前には戸は立てられない」と、正論を言いながら一人で仕事を進めていたのです。「仕事はスピードが命」と、誰にも相談せずに突っ走って、ふと後ろを振り向いたら誰もいなかったということもありました。
でも、40代になってから変わりました。一人で突っ走った時、その瞬間はそれが正しいように見えるのですが、組織というのは全体が動かなければいけないものです。一人で行動しても、組織の実態は動かず空回りしてしまうのです。これで、今まで何度も痛い目にあってきました。
それから歳を重ねるうち、チームとして動くことを重視するようになりました。チームというのは、構成員の「納得感」が大事です。例えば1つの仕事をしている時、トップからフロントのスタッフまで全員が、「なぜこの仕事をやるのか」ということを納得したうえで進めるようにしています。

NTTコミュニケーションズ 取締役 チャネル営業本部長。
早稲田大学法学部卒業後、日本電信電話公社(当時)に入社、総裁室に配属。1985年のNTT民営化時にはCI(コーポレートアイデンティティー)を担当。92年中野支店に営業部長として配属される。94年マルチメディア推進部普及促進担当部長として、96年のOCNサービス立ち上げに活躍。99年NTTコミュニケーションズC&O事業部(現ネットビジネス事業本部)営業推進部担当部長として代理店戦略を担当。2002年C&O事業部(現ネットビジネス事業本部)OCNサービス部長、2008年より現職(写真:花井 智子、以下同)。
納得せずに「上司にやらされている」という気持ちで仕事をしていると、生産性が下がるのです。スタッフに「なんでこの仕事をやるの?」と聞いた時、「いや、自分はあまり気が進まないんだけど、上司がやれと言うから」という状態だと、判断力も落ちます。
例えば部下自身が納得しないまま上司に言われた仕事をしている場合、上司が言わなかったことが発生したり、アクシデントが起きた時、対応できなくなる。この時に判断を誤ったり、チャンスを逃がしたりする場合も出てきます。でも、自分が納得してやっている仕事なら、その時点で的確な判断ができます。
意思決定で迷った時は、「そもそもなんで俺はこれをやっているんだっけ?」という原理原則に立ち返ると、正しい判断ができる。物事を決める時には、そういった「納得感」を醸成することを大事にしてきました。






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