日本航空が会社更生法の適用を申請し、手続きを開始した。あらゆる問題は、当事者がそれを認めるまで決して解決せず、悪化し続ける。その原則を踏まえ、会社や自分自身の立て直し方を考える。
日本航空(JAL)が会社更生法の適用を申請し、手続きを開始しました。グループの負債総額は約2兆3200億円。従業員1万5000人程度を削減し、取引金融機関などに7300億円の債権放棄を要請するという、事業会社としては戦後最大の経営破綻です。
なぜここまで事態が悪化してしまったのでしょうか。これは対岸の火事なのか、明日は我が身なのか、考えていきたいと思います。
JALが経営破綻した理由は、主に次の5つにまとめられます。
(1) 地方空港への路線など、経済面から見ると合理的でない運行も、様々なしがらみから展開しなければならず、赤字が拡大した。
(2) 顧客志向のマーケティングにおいて、競合から後れを取り、顧客の離反を招いた。
(3) 従業員に対して、生産性に比べて高い賃金が支払われていた。
(4) 企業年金について、OB、OGへの支払いを負担する若年層の社員が少なく、債務が拡大した。
(5) 機材への設備投資が遅れ、メンテナンスコストが増大するという投資不足による悪循環が起きた。
この5つの項目から気づいてほしいのは、すべての項目がJALだけの問題ではなく、多くの日本企業、すなわち、日本の社会に共通するということです。
例えば、(1)については、ビジネス慣行において利益より業界ルールや旧来のしがらみが、取引先の選択などに強く影響するパターンがしばしばあります。
(2)は市場の変化が速く、グローバル競争が進む中、その動きについていけないのです。
(3)は日本の正社員が諸外国に比べて過度な保護を受けているため、特に中高年従業員の賃金が競争相手に比べて高くなりがちです。
(4)はデフレにより名目利回りが予想をはるかに下回ったり、人口ピラミッドが企業内で崩れて若手の比率が下がったりすることで、退職者に約束した年金の支払いが企業の財務を圧迫しています。
(5)は新しい研究開発や設備、人材育成などに投資できず、だましだまし古いものを使うことで逆にコスト高を招きます。






あなたのご意見をお聞かせください