
雑談の中でいろいろな人からお薦めを受けることがある。「この本読むといいよ」「あのイタリアンのお店がおいしいよ」「工具を買うならこの店だよ」。実際、善意で薦めてくれる分、間違いは少ない気がする。外れることもあるが、多くは「よかった」「得した」「助かった」と実感できる。
よい体験ができたら、そこで終わりにするのではなく、薦めてくれた人に「よかった」とお礼の言葉を返しておこう。勧めてくれた人も評価されてうれしいし、また次回もよい情報をもらえることだろう。
感謝するのはごく普通のことで、特に意識しなくてもできる人も多い。けれども、無意識に人との距離を取ってしまような人なら、意識的に相手に対して応答してみよう。
よいお薦めに対して「よかった」と応答(フィードバック)するのは、ポジティブ・フィードバックになる。逆に、薦められたけどあれは「ダメだった」と返答すれば、ネガティブ・フィードバックになるが、それは要らない。お薦めを体験してみてダメだったら、「そういうこともあるさ」というくらいに受け止めておけばよい。
また自己主張や独自の美学から、あれを読め、ここへ行けと強要してくる人もいるが、そういう人の話は適当に聞き流して、ポジティブ・フィードバックをしないようにしよう。そうすることで、自然にその人と距離が取れるようになる。
人からのお薦めといえば、インターネットで見かけるクチコミ情報には注意しよう。インターネットでは、いろいろな商品について匿名のお薦めやマイナスの評価を見かける。参考になることもあるが、インターネットは少し特殊な世界だ。善意の評価なのか隠れた広告なのか見分けられないし、書いている本人は善意でマイナスの評価をしたつもりでも、実際には、その人の失敗体験を自己正当化しているだけのことも多い。
基本になるのは、誰が薦めてくれているのかということだ。だから、実際の人間関係の中から得た情報の方がよい。
もっともインターネットのクチコミでも、ブログやTwitter(ツイッター)などできちんと発言している人もいる。継続的にその人の発言を見ていくと、この人なら信頼できると思うことがある。そういった善意をきちんとインターネットの中から見分ける技術が、これからの情報社会では重要だ。
テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。1990年前半友人と翻訳・テクニカルライティング事務所を経営。1994年末、インターネットによる遠隔地業務可能に合わせフリーランスとなり沖縄に移住。2002年東京に戻り現在に至る。「日経クリック」(現在休刊中)で10年間Q&Aを担当。日経トレンディネットネットで起きてる最新トレンド、およびGoogle調査隊のコラムを執筆中。著書、『ブラウザのしくみ』(技術評論社)、『Ajax実用テクニック』(ナツメ社)など。






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