梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」

2010年1月21日

【90】握手の練習をしたことがありますか?

 本コラムの読者で、握手の練習をした人は何割ぐらいいるだろうか?

 マナー講習を体験した何人かに聞いたが、お辞儀の角度は習っても、握手を教えてもらった記憶がないと口々に言っていた。

 そこでマナー関連の本を、都立中央図書館でざっと20冊ほど読んでみたところ、握手について書かれているのはたったの3冊! 満漢全席に招待された時や、仲居さんへのポチ袋の渡し方、訪問先のインターフォンの押し方に至るまで詳細に書いておきながら、「握手」という大事な儀礼についてほとんど語られていないのは意外であった。

 かつては欧米人の“専売特許”のようで、日本人にはなじみが薄いものと見られていた握手。それが最近では「やあやあ初めまして」と手を出してくる人が増えてきた気がする。

いつ、どのタイミングで、どのくらい握る?

 皆さんはごく当たり前のように見事に応じ、笑顔で握り返すのだろうが、私は握手が大の苦手だ。どのタイミングで手を出し、どのくらいの強さで、どのくらいの時間握っていたらいいものか、ぎこちなく戸惑っている間に終わり、気まずい思いを引きずってしまうことがある。

 「非言語コミュニケーションは大事です」なんて偉そうなことを言っていながら、その代表的な表現「握手」のスキルを磨いてこなかったことを反省し、時間を作り文献検索をしたというわけだ。

 例外的に「握手」のマナーを記している本でも、「年長者や地位の高い人から手を差し出された場合に行う。女性から求められない限り男性からは控える。相手の目を見ながら、右手で相手の手をしっかり握り、2〜3回上下に振る」とごく簡単な記述だ。「イスラム教徒には不浄とされる左手での握手は避ける」というマニアックな解説には笑った。

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著者プロフィール

梶原 しげる(かじわら・しげる)
1950年生まれ。早稲田大学卒業後、文化放送のアナウンサーになる。92年からフリーになり、司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)。「日本語検定」審議委員を担当。【梶原しげるオフィシャルサイト
著書に『すべらない敬語』『図解版 口のきき方』『そんな言い方ないだろう』『老会話』『話がうまい人はやっている「聞き管理」』『最初の30秒で相手の心をつかむ雑談術』『毒舌の会話術』ほか。4月開校のプロ講師養成講座『梶原しげるの梶原塾』受付中。

このコラムについて

梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」

プレゼンや会議などで言いたいことが思うように伝わらず、困っているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。そこで、しゃべりのプロ、アナウンサーの梶原しげるさんが、相手に伝わる話し方のコツを伝授する。プロのテクニックを、ビジネスの現場でぜひ生かしてほしい。

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