職場を生き抜け!

2010年1月13日

【第98回】特殊な知識や技術を身につけることより大切なこと

〜「社会性」という言葉について考えよう〜

 私は昨年11月から、考え込むことがありました。それは、リクルートワークス研究所主任研究員の豊田義博さんに、今後のホワイトカラーのキャリア形成について伺った時に聞いた話についてです。それについて考えることは、皆さんが会社員をしていくうえで意味があることかと思います。

 まず豊田さんは、今後、ホワイトカラーは2極化すると説きました。

 「ホワイトカラーの2極化は、早いスピードでまさに加速度的に進んでいます。今後は、より高いパフォーマンス(実績など)を出すことができる人と、そうでない人とにハッキリと分けられていくでしょう。

 前者の高いパフォーマンスを出せる人は、激しい競争により一段とその数は絞られるはずです。後者の成果を出せない人は、主に単純労働をしていくようになります。そして、そのような仕事は今後、アウトソーシングされたり、契約社員やパート、派遣社員などに託されることになります」

 ここまでの論理は、この連載でも何度か紹介しましたね。多くの人は異論がないと思います。豊田さんはそれを踏まえ、20〜40代がどのようにしていくべきかを話されました。

 「これからは、プロフェッショナルな意識を持ち、仕事に臨むことがより強く求められます。そこで大切なことは、知識を身につけたり、技術をマスターすることのみに注意を奪われないことでしょう。今は、そのような風潮が強いように思います。

 それは、“2極化したホワイトカラー”の後者になる方向に向けてアクセルを踏んでいるようなものです。知識や技術の陳腐化のスピードはどんどん早まっていますし、グローバル化の流れの中で、ある領域の仕事が日本から消え去ってしまうことも起きています。

 ですから、特定分野の高度な知識や技術を持つことは、キャリアリスクを低減させるどころか、リスクを拡大していることにつながりかねないのです。

 高いパフォーマンスを出せるホワイトカラーになって高い収入を得ようとするならば、職場の上司や周囲の人とうまく関わる力こそ、養うべきでしょう。それを私は“社会性”と呼んでいます。

 例えば、ディスカッションやリーダーシップ、コミュニケーションなどが該当します。若い人が苦手としている分野でもあるので、これらの力を身につければ今後、活躍できる可能性が高くなると思います」

 ここまでを読んで皆さんは何を感じますか。

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著者プロフィール

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
1967年生まれ。大学卒業後、通信社、放送局、出版社で、夜逃げする社長から総理大臣経験者まで、計1200人前後の取材をする。2005年独立以降は、ビジネス書、特に人事・労務分野で取材、執筆、編集を続ける。雑誌「人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)、「企業と人材」(産労総合研究所)などで執筆中。著者に「すぐに使えるビジネス文書文例400」(成美堂)、「即解!2007年問題 トピック45」(九天社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文館出版)、『非正社員から正社員になる!』(光文社ペーパーバックス)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』などがある。ライターや編集者を志す人が集う「編集の学校・文章の学校」では取材、ライティングを教えている。

このコラムについて

職場を生き抜け!

「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで--。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。毎回、マニュアル本では書かれなかった企業人の“本音”“ナマの声”を踏まえた現実の回答を探る。

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