円高が進んでいる。それは生活や仕事にどんな影響を及ぼすのか。そもそも、なぜ円高になるのか。為替の基本を学ばなければいけない。私たちの生活を大きく変える経済の動きを知ることが、自衛策につながる。
円高が日本経済を揺さぶっています。リーマンショックの前までは1ドル110円近い水準だった円相場が、2009年12月、90円を切るところまで上昇しました。なぜこんな短期間で円高が進むのか、円高によってどのような影響が出ているのか、疑問に思う人が多いと思います。そこで、今回は為替について基本から学んでいきましょう。
為替水準は通貨の需給関係によって決まります。市場は為替の需給、すなわち、ドルや円に対する需要が伸びるか縮むかで、円高に振れたり、円安に振れたりするのです。
そして、その需給に影響を与えるのは、主として次の4つの要因です。各国の物価、金利水準、貿易収支、通貨発行量です。これらの要因を順番に見ていきましょう。
まず、各国の物価で為替が決まるということから説明します。これは専門用語では「購買力平価」と言います。外国のものが安ければどんどん輸入するので、その分、外貨の価値が上がり、自国通貨の価値が下がります。
2番目は金利水準です。各国通貨ごとに金利は異なります。例えば、ある通貨を買って1年間運用し、元の通貨に戻すと考えた場合、ある通貨の方が元の通貨よりも金利が高い時は、その為替水準が1年後まで続くとしたら、ある通貨を買って運用した方が必ず儲かってしまいます。だから金利差分だけ、より金利が低い国の為替に、常に上がる方向でプレッシャーがかかり続けます。
円を借りて、それを外貨にして運用することを「円キャリー取引」と言います。円キャリーが続く時には円が売られて外貨が買われるので円安傾向になり、今回のような経済危機などが起きると巻き戻されて、円高傾向になるのです。リーマンショックによって、これまで円をドルに換えて運用していたファンドが、一気に解約をしたことで円高が進みました。
3番目の要因は貿易収支です。例えば、貿易黒字を出している日本は、受け取った外貨を、日本の社員の給料を払うためなどに自国通貨に換える必要があるので、自国通貨の需要が増えて、円が強くなります。もっとも実際には、そのまま外国で工場を建てたり、再投資したりするケースもあるので、単純に貿易収支だけで為替が動くわけではありません。
ここまで3つの要因について説明しましたが、かえって為替は何で決まるのか分かりにくくなったかもしれません。一番大きな要因は4番目の通貨発行量です。多くの人は、お金はモノと違って増産や減産ができないように思っていますが、実はお金の量は中央銀行がある程度コントロールできるのです。






あなたのご意見をお聞かせください