乗り移り人生相談

2009年11月19日

【26】女の結婚詐欺師はブーちゃんと相場が決まっている

Q
10歳年下の大学生の彼氏をさらに成長させるには
私の彼氏は10歳年下の現役大学生です。彼が中学生の時に出会いました。頭の回転の早い面白い男の子だと思って、良い男に育ててみるかと見守ってきましたら、そのうちにつきあってと懇願されて交際するようになり早6年。最高峰レベルの私大に通い、研究にも打ち込み、趣味のバイクや電車関連も十分に楽しむ、なかなかに良い男ではないかと思いますが、心配していることもあります。それは私ばかり見て、ほかの交友関係にあまり目がいってないように思えること。私は彼に一人で海外に行ったり、もっと多くの人と過ごしたりしてほしいのに、何をするにも私と一緒にやろうとするのです。彼がさらに大きくなるために私はどうしたらよいのでしょうか?

(31歳女性)

人生は、ことに恋愛は不公平なものだ

シマジ これこそ女神だよ。

ミツハシ 相談者が31歳ですから、10歳年下の彼氏ということは21歳になりますね。「つきあうようになり早6年」とありますから、彼が15歳の時から交際が始まっていることになる。15歳と言えば中学3年じゃないですか。普通、中学3年の男なんてドキドキしながらエロ本のページをめくって想像だけは逞しく、性欲と自意識の持って行き場のないニキビだらけのどうしようもない生き物ですよ。それなのに、何ですか、この恵まれようは。

シマジ ミツハシ、興奮するな。人生は、ことに恋愛は不公平なものだ。君の暗い青春には同情するが、こればかりは仕方のないことだよ。若い時からえこひいきされる奴はいるんだね。

開高文豪 (天国から)シマジくん、私もこの学生がうらやましいね。

シマジ 先生には素敵な彼女がいらっしゃったじゃないですか。

開高文豪 女は晩学やからね。この青年みたいな経験を積んでいれば、シバレン先生のような口説き文句も口にできたかもしれん。闇シリーズなんて書かなくても済んだかもしれんな。

シマジ シバレン先生の場合はダンディーでしたから。

開高文豪 それはどういうことや。そう言えば、シバレン先生と大僧正の墓にはお参りして、私のところはまだか。

シマジ ……。

1 2 3 4 5

著者プロフィール

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)
島地 勝彦 1941年生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に育て上げる。その後、「PLAYBOY」編集長、「Bart」創刊編集長などを務める。柴田錬三郎、今東光、開高健、瀬戸内寂聴、塩野七生、荒木経惟をはじめとする錚々たる面々と画期的な仕事を重ねてきた伝説の編集者。2008年11月集英社インターナショナル社長を退き現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。「人生は冥土までの暇つぶし」だと思っている。

このコラムについて

乗り移り人生相談

 これはただの人生相談ではない。何しろ今は亡き昭和の文豪たちが天国から降臨し、ある男に憑依してあなたの悩みに答えるのだから。
 その文豪たちとは次の三人である。眠狂四郎の生みの親、不羈の想像力で時代小説の新地平を拓いた柴田錬三郎氏。天台宗大僧正にして参議院議員そして直木賞作家…天衣無縫の怪物、今東光氏。世界を股にかけ珠玉の文章を残した行動派作家、開高健氏。彼らの言葉を口寄せするのは「週刊プレイボーイ」の編集者時代に、三文豪を回答者に据えて人生相談コーナーを担当した島地勝彦氏だ。柴田錬三郎氏には息子のように、今東光氏には孫のように、そして開高健氏には弟のように可愛がられた島地氏は、人生相談コーナーを通じて門前の小僧よろしく人生の様々な奥義を教えられた。
 島地氏は言う。「従って、シマジの言葉はシマジの言葉にしてシマジの言葉にあらず。剣豪作家シバレンの、今東光大僧正の、開高文豪の言葉なのである。心して聞けい」

AssocieOnlineアクセスランキング

アソシエオンラインメール登録(無料)