今回は、「未婚であることのストレスを抱えてしまった時の対処法」や、「無償の愛を求める人が増えていること」について、語り合っていただきます。
日本女性は、「努力」が好き
白河 去年、今年と婚活ブームが起きました。
私が山田昌弘先生(中央大学教授)との共著・『「婚活」時代』で伝えたかったのは、「今までの日本には『自動的に結婚できるシステム』があった。そのシステムが崩壊した今、結婚したいのであれば自分から動く必要がある」ということでした。
でもいつの間にか、「婚活」の意味が独り歩きするようになって、「条件のいい男性を狙う女性のための戦略」や「結婚するためには結婚情報サービスを使わなきゃいけないもの」というふうに、誤って認識されるようになってしまったんです。
今までの日本では、「結婚は自然にできるものだから、別に努力しないでもいい」と考えられていました。ところが、婚活を提唱して「結婚にも努力が必要だ」という概念を与えてしまったことによって、そのために葛藤する人がいることも事実です。婚活ブームには良い点もたくさんありますが、私には「寝た子を起こしてよかったのか?」という罪悪感もあるのです。「結婚したいのにできない」という“未婚ストレス”を抱える人が増えてしまったのでは、と…。そういう人たちに対して、どのようにアドバイスすればよいのでしょうか。

1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー評論など幅広いジャンルで活躍する。 『親子という病』(講談社)、『「私はうつ」と言いたがる人たち』(PHP研究所)、『スピリチャアルにハマル人、ハマらない人』(幻冬舎)、『いまどきの「常識」』(岩波書店)など、著書多数。近著に『しがみつかない生き方』(幻冬舎)。
香山 “未婚ストレス”について考える前に、先ほど述べたように(前回参照)、「婚活はゴールではない」ということを認識することが大事だと思います。「結婚してから」が肝心なのに、「結婚したこと」で達成感が訪れて、その先のことを考えていなかった…というのは本末転倒ですよね。
白河 確かにそうですね。私は時々、こんな相談を受けるんですよ。「一生懸命婚活して結婚したのはいいんですけど、その先どうしたらいいのか分からないので、マニュアルを書いてください」と。そこまでマニュアルを書かなくてはいけないのでしょうか(笑)。
香山 日本の女性は、努力することが好きなんですよね。
白河 ええ、そう思います。日本の女性はまじめですよ。
香山 「目標を定めて、それを達成するための計画を立てて、努力すること」が大好きなんですよね。今は結婚もそういう「努力の対象」になってしまったから、「結婚とは、戦略や計画を立てて努力すれば、手に入るもの」と捉える女性が増えているのは、納得できますね。
白河 結婚は結果が出せるものですからね。日本人のまじめさに、「婚活」という言葉がヒットし過ぎてしまったのかもしれません。
香山 そうですね、特に女性にヒットしたのでしょうね。
そういう意味で、「不妊治療」と「婚活」は似ていると思います。病院に勤めていると、不妊治療のために婦人科に通っていた人が、出産後に、今度は育児ノイローゼになって精神科に通院するというケースを目にすることがあるんですよ…。











