コンビニ棚から消費が見える

2009年11月13日

【63】データから見るコンビニ市場

 素朴な疑問で「コンビニ市場ってどうなっているの?」と聞かれることがあります。そこで、今回は、主要5チェーンの中間決算の結果を見ながら、コンビニ市場の動向を見ていきましょう。

 まず下記のデータを見てください。これは主要5チェーンのIR情報から抜粋した中間決算における、売上高の4年間の推移です。コンビニチェーンは2月が決算月ですから、中間決算とは、その年の3〜8月期間の成績となります。

 状況としては、昨年7月以降のTASPO効果(参考記事【1】【2】【3】)がなくなった影響が少しずつ出ているようです。TASPOは、昨年5月より九州地区、東北地区と徐々に導入されていき、7月からは全国に広がりました。

 加えて、今年の7月は昨年の7月と比較して気温が大きく下がっており、「飲料」「アイスクリーム」などの商品販売が不振でした。

 チェーン全店の売上高の算出式は、【店舗数×1店舗あたり売上高】となりますが、店舗の売り上げが厳しくても、出店数を増やせば、全店の売り上げを上げることが可能です。過去のコンビニにおける成長モデルはこの形を踏襲してきました。新規出店をする、不振店を閉店して近隣にリニューアルオープンする(スクラップ&ビルド)などです。

 しかし、この成長モデルが崩れてきていることは周知の事実です。直営チェーンであればこのような成長モデルは十分成り立ちますが、コンビニはFC(フランチャイズ)チェーンが大半です。FCチェーンは、本部と加盟店で成り立っていて、加盟店は本部と資本関係が一切ない別の法人や個人が加盟します。昨今は、「加盟店は生活が厳しい」という現状がニュースにもなっています。

 加盟店の経営者は、一店舗しか経営していないケースが大半なので、一店舗あたりの売り上げが下がれば、自分の収入も減ります。本部は加盟店の生活を守る必要(義務ではない)があるはずなので、前述の成長モデルばかり考えてはいけないでしょう。加盟店の生活が厳しい状況が続くと、店主のモチベーションが下がってしまい、熱心な商売ができなくなります。そうなると、店舗の売り上げ悪化に拍車をかけてしまいます。

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著者プロフィール

笠井 清志(かさい・きよし)
船井総合研究所 戦略プロジェクト本部 次長 シニアコンサルタント。
1974年大阪府生まれ。複数の企業にてキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。クライアント先である「NEWDAYS」の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。月刊コンビニ(商業界)にて連載を持つほか、著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー 』(どちらも同文館出版)がある。
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このコラムについて

コンビニ棚から消費が見える

みなさんはコンビニを何気なく利用していると思いますが、その「凄さ」を知っている人はほとんどいません。コンビニは、季節や天候、消費者の行動心理などを徹底的に分析して、商品の発注から陳列、販売方法まで、緻密なシステムで運営しています。
そこで、この連載では、コンビニの高度なシステムを紹介するとともに、コンビニから得られる消費行動を解説していきたいと思います。

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