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ここがおかしい!日本のワークライフバランス(1/4ページ)

ワーク/ライフ・コンサルタント、パク・J・スックチャさんに聞く

2009.11.11

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 数年前に「ワークライフバランス」という言葉を提示した、ワーク/ライフ・コンサルタントのパク・ジョアン・スックチャさん。現在は少子化対策に関する調査や、女性コミュニティーサイトでの提言も行っている。今回はパクさんに、シンガポールの少子化対策や未婚率上昇による日本の将来、またワークライフバランスの見直しなどについて伺った。

(聞き手:アソシエオンライン プロデューサー 大塚 葉)

――パクさんは先般、内閣府の少子化対策の調査に関わり、シンガポールでの婚活についてリポートを出されました。まず、これについてお聞かせください。

パク この春、内閣府で「アジア地域(韓国、シンガポール、日本)における少子化対策の比較調査研究報告書」を行い、私はシンガポールの考察を担当しました。日本でも今話題になっている婚活ですが、シンガポールでは政府が男女の出会いの支援、結婚後の仕事と子育ての両立まで包括的に考えており、少子化対策の一環として婚活支援を進めているのです。

 シンガポールでは1960年代に出生率が非常に高かったので、1980年代まで「3人目の子供の場合は、有給出産休暇をもらえない」といった出産抑止政策を行いました。しかし結果的に出生率の低下が進みすぎ、政府は高学歴女性の未婚者が増えたことを懸念するようになりました。優秀な女性が企業に入ってバリバリ働くと、望む男性との出会いの機会も減り、結婚、出産にいたらないのです。

 このため1980年代後半に「SDU(Social Development Unit:社会開発局)」という、大卒の独身者向けの施設を国が作ったのです。男女が集まったり、結婚関連の雑誌を読めるような施設で、男女のマッチングイベントをやったり、「デートで成功するためのガイドブック」を用意したりしました。こうした異性との出会い支援を国がやっているのは、シンガポール以外にはありません。

 高学歴女性の出産を奨励するための優遇税制もありました。シンガポールでは人材こそが資源なので、人材の質を高めるために高学歴女性にもっと子供を生んでほしい、という意図があったのですね。ただ、これは一方で批判を受けたこともありましたが。

――このような実態を背景に、パクさんは女性のコミュニティーサイト「イー・ウーマン」で、婚活や少子化対策に関して読者に意見を求められたのですね。

パク イー・ウーマンでは、政府による婚活支援の是非などについて、4日間読者の意見を集めました。この問いかけをした翌日の反響は、「政府による婚活支援については、賛成2割、反対8割」となりました。反対の理由は「結婚は個人の自由。国が介入することではない」「出会いの支援より、子供が生まれた後の育児・教育の支援をしてほしい」というものが多かったのです。

 また先ほどの内閣府の調査でも、婚活に関してアンケートを行ったところ、国による婚活支援への反対意見が多く出ました。

――イー・ウーマンでは、「婚活と少子化の問題は別」として国の婚活支援に反対する人もいましたね。確かに「結婚率上昇=出生率の上昇」とは言い切れません。フランスのように法律婚をしていなくても育児支援を受けられるようになれば、出生率が上がる可能性もあるのではないでしょうか。

パク そうですね。ただ実際のところ日本では、いわゆる「婚外子」はわずか2%なのです。例えば今は3割が「できちゃった婚」ですが、結婚前に妊娠が分かると、多くの人は生まれる前に「籍を入れる」(編集部注:婚姻届を出して法律婚をすること)のです。つまり、出産の前提条件が結婚なのです。最初は婚外子でも、後から籍を入れる人も多いですね。

 またこれについては、面白い調査結果もあります。

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