「私たちだって好きで産まなかったわけじゃない」
香山 でもそれがしにくかったのは、私たちの世代の場合は、社会的な圧力があったからなんです。繰り返しますが、均等法第一世代の女性の中には「職場と約束したからには結婚しません」と誓い、それを守ってきた人がたくさんいました。でもその結果、「仕事に生きてきて良かった」と言える人は少数派で、「やっぱり失敗だったかも」「取り返しのつかないことをしちゃった」と思っている人も多いと思います。
こういう背景から考えると、私は日本が少子化社会になったのは当然だと思いますよ。
でも、結婚も出産もせず、仕事にまい進してきた均等法第一世代の女性たちが、「少子化の元凶」のようにされるのは納得しがたいものがありますね。ある総理大臣経験者が発言したように、「子どもを産まなかった女性が自由を謳歌して、老後は年金で面倒を見ろというのはおかしい」なんて言われると、すごく肩身が狭いじゃないですか。私自身、子供がいないからその気持ちがよく分かるんです。

白河 生まなかったのは社会や会社の風土のせいで、女性たち自身のせいといわれても、それは違うだろう、という感じですよ。
香山 そのことを褒めてくれとは言いませんが、「頑張って女性の社会進出に貢献してきましたね」というふうに、もうちょっと評価されてもいいんじゃない? と思うことはあります。口さがない知人は、「私たちだって好きで産まなかったわけじゃない。ましてや、自分のためにお金を使いたいから産まなかったんじゃない。だってあの時、結婚も出産もするなって言ったじゃない」と愚痴ったりしているけど、それを口に出してしまうと、人のせいにしているみたいですよね。だから、大半の女性はぐっと我慢しているんです。
女性の生き方や働き方について考えてみると、そのロールモデルがなかなか決まらない中で、みんなが右往左往して、その時代時代で踊らされて来たことがよく分かりますね。
(次回に続く)
・「結婚とは何ぞや?」と問い始めると禅問答のようにキリがなく、より結婚できない。
・均等法第一世代が「産まなかった」理由の1つは、社会的圧力があったから。ぐっと我慢して仕事をしてきたその世代の社会的貢献が、もっと評価されてもいいのではないか?



東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ジャーナリスト&ライター。











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