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コンビニ棚から消費が見えるビジネス

【59】衝動購入が少ない「たばこ」の売り上げアップ戦略とは(2/2ページ)

2009.10.16

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セルフ販売が肝

 「ブランドスイッチが難しい」「衝動購入が少ない」「キャンペーンキットの効果も低い」…。このような特徴を持つたばこの販売をどのようにして伸ばせばいいか。一つの答えとなり得るのが「セルフ販売」です。

 コンビニのレジカウンターの上に置くたばこの販売什器から、お客様が自分で欲しい銘柄を手に取り、レジで精算を行うスタイルです。ある店では、この販売手法を導入したところ、販売数が約150%の伸びを示しました。

 けれども、この手法には弱点があります。それは、万引きです。レジカウンターの後ろにたばこを展開し、口頭で銘柄や商品番号を伝えて購入する方法では、万引きは発生しませんが、レジカウンターの前でセルフ販売をしてしまうと、万引き被害が出てきてしまうのです。

 たばこ販売の儲けは約10%。300円(儲けは30円)のたばこを万引きされると、10個分の利益が飛ぶことになります。ですから、レジカウンターの前面に販売什器を展開するのは、リスクが高い手法とも言えます。ですが、私としては、たばこのセルフ販売は「取る必要があるリスク」と考えています。

夏休み期間に消費嗜好変化

 「衝動購入が少ない」と説明しましたが、ある一定期間においては、この傾向が崩れることがあります。その期間は夏休み。夏になると「メンソール系」のたばこが売れるのです。普段ブランドスイッチをしないお客様も、夏休み期間はメンソール系のたばこに手を出します。「マイルドセブン」を購入していたお客様が、「マイルドセブン・メンソール」を購入したりするわけです。

 暑さの影響なのかもしれませんが、「クール」という表現にお客様の心が揺れ動かされるようです。この夏の期間こそ、たばこの販売を伸ばすチャンス。コンビニの店頭で、どれだけメンソール系の商品をアピールできるかどうかがポイントになってきます。ほかの季節や時間帯、ライフスタイルの違いによっても、心を動かされるポイントはあるかと思います。コンビニ各社やたばこの製造・販売メーカーは、夏にメンソール系が売れる法則を踏まえて、そのポイントを考えてみることが必要でしょう。

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笠井 清志(かさい・きよし)
笠井 清志(かさい・きよし)

 船井総合研究所 戦略プロジェクト本部 次長 シニアコンサルタント。1974年大阪府生まれ。複数の企業にてキャリアを磨き、船井総合研究所の経営コンサルタントとして従事する。コンビニ本部等の多店舗展開チェーン企業へのコンサルティングを中心に活動。クライアント先である「NEWDAYS」の平均日販を日本一に押し上げたことが話題になる。月刊コンビニ(商業界)にて連載を持つほか、著書に『コンビニのしくみ』(同文館出版)や『よくわかるこれからのスーパーバイザー 』(どちらも同文館出版)がある。
 相談や講演の依頼はこちらから。

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