単なる笑顔であっても、私たちには想像できないほどの可能性があるのよ(We shall never know all the good that a simple smile can do)。
これはマザーテレサの言葉である。笑顔の効果は古くから心理学的に調べられている。
まず何より、笑顔には社会的な役割が大きい。「笑顔を見るのは心地よい」というのは共通した心理だろう。楽しそうに笑っている人を見るのは、よほど偏屈な気分でないかぎり、嫌な気にはならない。
そして、笑顔は感染する。こんな奇妙な実験が行われている。平生からあまり笑わない、どちらかといえば仏頂面で近寄りがたいタイプの人を笑顔にさせるにはどうしたらよいかという実験だ。どんなに冴えたギャグでも100%笑わせることはできないが(かえって不機嫌にさせてしまうこともある)、隣でただ根拠もなくケラケラと笑い続けるというのがもっとも確実な方法であることが分かった。
「怒れる拳、笑顔に当たらず」ということわざがある。怒って拳を振り上げても、相手が笑っていると殴れない、というものである。これこそが笑顔の力である。笑顔は最強の武器なのだ。
楽しいから笑顔を作るというより笑顔を作るから楽しい
ところが研究が進展すると、笑顔は、それを見る人(笑顔の受信者)だけでなく、笑顔を作る人(笑顔の発信者)にとっても良い心理効果があることが明らかになってきた。
これに関して、今月の『プロスワン』誌に掲載された、独オットー・フォン・ゲーリケ・マグデブルグ大学のミュンテ博士の論文を紹介したい。
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