これまで私は、ことある度に「ひらめき」と「直感」の違いについて強調している。普段の生活の場では、この両者を同じようなニュアンスで使っているかもしれないが、脳の研究の現場では全く違うものとして取り扱う。
確かに、どちらも「ふと考えを思いつく」という状況は似ている。しかし、思いついた後の様子がまるで違うのだ。
理由が分かるかどうかで違う
「ひらめき」は思いついた後に、その答えの理由が言える。「先ほどまでは気づかなかったが、今はこの答えの理由がよく分かる。なぜならば…かくかくしかじか…」といった具合に、その理由が本人に明示的に分かる。これがひらめきだ。
一方、「直感」は本人にも理由が分からない確信を指す。思い至ったまではよいが、「ただ何となく」としか言いようがない曖昧な感覚である。根拠は明確ではないが、その答えの正しさが漠然と確信できるのが直感である。そして重要なことは、直感は意外と正しいという点だ。この点が単なる「ヤマ勘」や「でたらめ」とは決定的に異なる。
両者の違いについて具体的なイメージをつかんでもらうためには次の問題を解いてもらえば十分だろう。

「ひらめき」と「直感」に関するこれ以上の詳しい説明は拙著『単純な脳、複雑な「私」』に譲るとして、ここでは、台湾大学の黄貞穎博士が4月の「サイエンス」誌に発表した論文について紹介したい。






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