職場を生き抜け!

2009年4月1日

【第64回】「辞表をうまく書かせる方法がある」と聞きました…

〜たしかに社員を追い込む方法があります〜

読者からの“タレコミ”

 うちの会社は現在リストラを行なっています。噂で聞きましたが、うまく辞表を書かせる、マインドコントロールの方法があるそうです。そんなものが、本当にあるのでしょうか。

人事ジャーナリストが返信

 一部の企業では、正社員のリストラが行われています。この時期、あなたの問い掛けは、意味の深いものだと感じました。

 お答えしていくにあたり、極力、私がこれまでの取材で得た情報を基に書き進めていきます。その方が「会社員は〇〇すべき」という観念論よりも、役に立つのではないかと考えました。

 しかし、リストラについて人事部などに取材を進めると、いつも壁があります。世間では、依然として「人員削減は好ましくない」と思われていますから、会社はそれを警戒し、取材の依頼を断る場合があるのです。むしろ、その方が多いといえます。

 従って、今回は中堅・大企業と関係のある人事コンサルタントなどから、私が取材を通して得た情報を基に述べます。

 まず、従業員数百人以上の会社は、リストラ(この場合は正社員の人員削減を意味する)を行う際、基本的には次のステップを踏んでいます。

 この流れは、しっかりと心得ておきましょう。大切なことは、このうち自社が今、どこに位置しているかを把握することです。
 その際は、上司や周囲の同僚、あるいは労働組合執行部などと日ごろからコミュニケーション・ルートを作っているかどうかがモノをいいます。

1、計画を作る
・適正な人件費と適正な人数を決める
・減らす人数などの決定
・リストラの実行スケジュール
・労働組合への説明
・第三者機関が介入してきた場合などの訴訟リスク対策
など

2、準備・実行
・リストラ該当者のリスト作成
・配置転換 (1)
・希望退職説明会及び個人面談などの準備、トレーニング、実行 (2)

など

3、フォロー
・退職社員のフォロー (離職表などの作成)
・新経営計画を作る
など

 会社により多少の違いはありますが、概ね上記のような流れを辿るはずです。特に、2の(1)〜(2)のところをよく確認してください。このあたりは、最も警戒すべきです。

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著者プロフィール

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
1967年生まれ。大学卒業後、通信社、放送局、出版社で、夜逃げする社長から総理大臣経験者まで、計1200人前後の取材をする。2005年独立以降は、ビジネス書、特に人事・労務分野で取材、執筆、編集を続ける。雑誌「人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)、「企業と人材」(産労総合研究所)などで執筆中。著者に「すぐに使えるビジネス文書文例400」(成美堂)、「即解!2007年問題 トピック45」(九天社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文館出版)、『非正社員から正社員になる!』(光文社ペーパーバックス)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』などがある。ライターや編集者を志す人が集う「編集の学校・文章の学校」では取材、ライティングを教えている。

このコラムについて

職場を生き抜け!

「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで--。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。毎回、マニュアル本では書かれなかった企業人の“本音”“ナマの声”を踏まえた現実の回答を探る。

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