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丸の内のアントレプレナーたち

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クランチロール ビンセント・ショーティノ氏【2】

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 2008年11月にテレビ東京との提携の際、クランチロールは、アニメ会社とライセンス契約した作品しか自社サイトに掲載しないと宣言した。利用者の減少が予想される中、思い切った決断をした背景とは──。

 「日本でアニメを作っている会社が650社ほど。そのうち著作権を保持しているのが約50社。そのほとんどと交渉したが、何度も辛い思いをしました」

 アニメ会社が問題視するのは、クランチロールのサイトに掲載されている著作権者の許可が取れていない違法アニメだった。

違法アニメを排除する

 「僕を除けば、平均年齢が25、26歳という若い会社で日本での経験がないアメリカのベンチャー企業のため信用力がない。ユーザー数が多く活気があっても、違法なアニメがあるだけで話になりません。また、アニメ会社は想像以上に、ネット配信に不信感を持っていました」

 信頼を高めるため、クランチロールでは動画サイトで流れている違法アニメを発見して、自動的に閲覧制限をかける「違法動画検出ソフト」を開発。契約したアニメ会社に無償で提供することにした。

 

 「このソフトを使えば、ネット上に存在する違法アニメを効率良く削除できます。弊社のプラットフォームを利用すれば、オンラインのビジネスが可能であることを訴えました」

 違法アニメを、同社だけはなく、すべての動画サイトから削除することで、逆境をチャンスに変えたのだ。2009年1月から、同社サイトでは違法アニメは削除したが「ユーザーはわずかに減ったぐらい」という予想以上の結果だった。

 「ユーザー数は米国で横ばい、北米以外の地域で多少減ったくらい。正規ルートのコンテンツを充実することで取り戻せそうです」

 2月には、外国企業としては初となる、日本動画協会のメンバーに。積極的に違法アニメを取り締まる側にまわった。

 「大きな転換期に、受け身に徹していても事業拡大は無理。熱狂的なアニメファンが集まるサイトに加えて、違法アニメの検出ソフトという大きな武器があったからこそ、これだけの早さで大手アニメ会社と契約することができました」

 クランチロールでは、広告付きの無料ストリーミング、有料登録型のストリーミング配信、ダウンロード販売、キャラクターグッズ販売の4つのビジネスモデルがある。平均6ドル払っている有料会員1万4000人強が、同社のビジネスの柱になっている。

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