古くから日本人の生活と密接にかかわってきた「竹」を有効活用し、抗菌剤や建材などの商品開発をしているタケックス・ラボの清岡久幸さん。限りない可能性を秘めた竹に込める彼女の思いは、竹のように真っすぐだ。
「竹製品がプラスチックに代用されたり、海外で生産されたりする時代でも、父親の会社には、竹を使った建材を開発していくような開発力がありました。ただ、コスト管理やマーケティングは苦手。攻めと守りで言うと、攻めばかり。経営は得意ではありませんでした」
事業として芽が出始めた時の、まさかの倒産。しかし、清岡さんは、立ち止まらなかった。いや、突き進むしかなかった。
研究者から経営者へ

逆風だけではなかった。1996年に大阪・堺市で発生したO-157による集団食中毒事件。そのO-157の検体が、共同研究をしている大学に持ち込まれ、偶然、竹の抽出成分を加えたところ、抗菌効果が表れた。即効性と持続性も認められた。それがマスコミに取り上げられたことで、マクドナルドや山崎製パンなど、大手企業から一部採用されるまでになった。
「父の会社が傾き始めたのは、竹の表皮から抽出した食品添加物が認知されてきた頃。その時に小児病棟の光景を思い出したのです。そして、健康で安全な食品添加物を作りたいという思いから、竹の抽出成分がもたらす抗菌効果をもっと広めなければ、という気持ちが沸いてきたのです」
2002年、清岡さんは、タケックス・ラボの母体となる新会社「フードテックス」を大阪・吹田市に立ち上げる。ついに研究者から経営者になったのだ。
「課題は、開発した商品を次のステージに持っていくこと。ところが大手企業には、商品の安定供給、品質管理、危機管理などの問題を指摘され、採用を見送られる日々が続きました。私たちのようなベンチャー企業は、何よりも信用がありませんでした」
信用力を向上するために、積極的に事業提携を推し進めた。小さな工場で作っていた商品の製造を、老舗で品質管理に厳しい伏見製薬所(香川県丸亀市)に委託することに。ベンチャーキャピタルにも事業計画書を手に日参していた。






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