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第12回 村上ファンド事件控訴審判決

2009.02.18

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お金には、私たちを幸せにする力、不幸にする力の両方が備わっている。
その扱いの基準は、司法ではなく、個人の倫理観にある。
あなたが稼いだお金は、社会に貢献した結果と胸を張って言えるだろうか?

 2月3日、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で、証券取引法(現・金融商品取引法)違反の罪に問われた村上ファンド元代表、村上世彰被告に対する控訴審判決が、東京高裁でありました。一審判決との違いは、懲役2年の実刑から、懲役2年に執行猶予3年がついたことです。金銭的な罰は一審と同じ、罰金300万円と追徴金約11億4900万円でした。

 今回の争点の一つは、村上被告に違法性の認識があったかどうかです。ライブドアから、ニッポン放送株の大量取得計画を「聞いちゃった」とされる2004年11月8日以降に、村上被告はニッポン放送株を買い増し、2005年2月に時間外取引でライブドアに売却しました。高裁では、買い増した分の売却益約30億円がインサイダー取引に該当すると見なされました。実刑から猶予刑になったのは、村上被告自身に違法性の認識は小さかったと判断されたためです。

 私たちが市場を信頼し、公正な競争をするには、インサイダー認定の基準と、それに対応する量刑の判断を明確にすることが不可欠です。ところが、一審判決はインサイダー認定の基準を曖昧にしたまま、起訴の対象ではない市場操作的な部分までを量刑の判断に加えて、村上被告を実刑としました。

 実は、過去のインサイダー取引事件においても、実刑がつくことは極めて稀です。村上被告は今回、実刑から猶予刑になっても、事実認定に一部納得いかない点があるとして、即日上告しました。そのことが司法の限界を物語っているとも言えます。

 もし、司法が私たちに自由な市場活動を認めつつ、不正なインサイダー取引を防止したいのであれば、インサイダーの認定要件をより明確にし、逆に認定した事件については、その処罰を厳格化する、という対応が必要です。

 それでは一審判決が単に間違っていて、村上被告は利益至上主義を叩きたいがための「国策捜査」による被害者なのでしょうか? 私はそうは思いません。なぜなら村上被告は、特にニッポン放送の買収劇の頃、お金を扱う人にとっての最後の砦、すなわち「お金は社会をより良くし、人を幸せにするために存在する」という理念から大きく離れた行動を繰り返していたと思うからです。

 そもそも村上ファンドは、通商産業省(当時)を退官した村上被告が、日本の株式会社にはびこる株式持ち合いや株主軽視といった非効率経営を「モノ言う株主」、つまりアクティビストとして改めるという大義名分で始めたものです。

 実際、初期には東京スタイル、住友倉庫、タカラなど、お金やブランドをうまく生かし切れていないと判断した企業に刺激を与え、改革を迫るという手法を取っていました。その大義名分には賛同者も多く、応援する人がたくさんいたのです。

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