【16】「ルール」をリーダーの意図を伝えるメディアとして活用する
「年功序列制度」、「成果主義」に内包されたメッセージとは?
組織は、複数の人間による「協働体」です。その活動成果を高めるためには、一定のルール設定が欠かせません。皆さんが所属する組織にも様々なルールがあると思います。
では、組織にはなぜルールが必要なのでしょうか?
1つは、ルールを設定することで「個々人の活動をある方向に規定し、組織内の複雑性を減らすことができるから」です。しかし、ルールにはもう1つの側面があります。それは、「リーダーの意図をメンバーに伝えるメディア」という役割です。
今回から4回にわたって、このような「ルールを活用してリーダーのメッセージを伝える」という視点に立った「ルール・マネジメント」の原則や、具体的な方法論を紹介していきます。
日本の過去の人事システムから考える「ルールの役割」
連載1回目で詳しく述べた通り、リーダーシップとは「ある一定の目的に向けて人々を導く行為」です。リーダーはメンバーを望ましい方向へと導くために、コミュニケーションを通じて組織に影響を与え続けなければなりません。
しかし、組織が拡大して人数が増えると、リーダーが全員を集めて自分の考えを伝える場を設けたり、1人ひとりに話しかけることが難しくなるため、リーダーは様々なメディアを使ってメンバーに情報発信をする必要が出てきます。
そのメディアの1つとして、「ルール」を活用することができます。
「ルールがメディアの役割を果たすこと」を理解していただくために、日本の過去の人事システムを例にとって説明します。
高度成長期以来の大手企業を中心とした日本の人事システムには、「年功序列型賃金制度」や「退職金制度」が組み込まれていました。
これらの制度は、以下のようなメッセージをメンバーに発信していると解釈できます。
「社員の皆さんには長く勤めてほしいと思っています。そのため、若い時の給料は安いけど、年齢を積み上げていくと給料は上がっていくし、定年まで勤めてくれたらたっぷりと退職金を払いますよ。だから途中で辞めないでください」。
要約すると、年功序列型賃金制度や退職金制度というルールには「若い時に辞めると損ですよ。この会社で長く働いてください」というメッセージが内包されていたのです。






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