新しく配属された課では、今まですべてのことについて課長がこと細かに指示していたようです。しかし私は、部下が自立的に動けるチームになるように仕事のやり方を変えたいと思っています。どのようにするとうまくいくでしょうか
【立花のアドバイス】 部下が迷った時に参照する判断基準を作る
課長がいちいち細かい指示を出していては、少ない人数で多くの業務を迅速にこなすことはできません。やがては行き詰ってしまうでしょう。前任者の課長がルールや手続きで部下を管理していたようにも見受けられます。しかし、課長の指示に部下が頼っていては、あらゆる場面をカバーすることはできません。部下が自分で判断できる自立したチームにしていくには次の方法があります。
(1)ルールや手続きは必要最小限にする代わりに、部下が自分で判断するための基準(原則)を作る。私はこれを「原則による管理」と呼んでいます。
(2)原則を作るために、課のメンバー全員で話し合って課の業務を定義づけし、本質は何かを考える。その答えを「ミッション・ステートメント(課の使命を記述したもの)」にする。例えば「お客様と販売店さんと自社の三者にとって利益になる解決策を見つけて実行する」など。
(3)そのうえで、課の使命を果たすために自分はどうすればよいのかを考えさせ、それを各自の目標とする。
(4)課のメンバーが業務を進めるうえで判断に迷った時には、ミッション・ステートメントに照らし合わせて何をすべきかを考える。
(5)課長は、部下が目標達成に向けて仕事を進めるなかで、経験や知識の不足から判断に困っている時には適宜サポートする。
全員で作ったミッション・ステートメントや各自が考えた目標ですから「やらされ感」はありません。これを辛抱強く続けていけば自立的に動けるチームが出来上がっていきます。
【津田のアドバイス】 部下が自分の判断する度合いを増やしていく
この相談には、2つのポイントがありますね。1つは「前任者のやり方と変えたい」。もう1つは「細かく指示しなくても自立的に動けるチームに変えたい」です。
人はどのような時に変化を受け入れて能動的に動くのかというと、
(1)今まで無理だとあきらめていたことが実現できた
(2)結果が見えて表れた
(3)今まで思いもつかなかった新しい目標が見えた
(4)新しいことにチャレンジする機会に恵まれ、それを成し遂げた
(5)周りから認めてもらった−−などです。
私は、自分のチームに大きな変化を起こす際には、一人ひとりの部下と事前に面談して、今までの不安や不満をできるだけ多く聞き取ります。そして、変化のタイミングでそれを反映させて改善するようにしています。なぜなら、「こんなこともできた」という喜びを変化の過程で感じられると、変化を受け入れる態勢ができるからです。
「やり方を変える」というのは、強じんな忍耐力、精神力、寛容力が必要です。いろいろな意見も周りから聞こえると思いますので、強い意志と覚悟を持って臨みましょう。
こと細かに指示をしていた状況を、任せる(=自立する)ように変えていくためには、指示の間隔を少しずつ長くしていき、部下が自分で判断して動く度合いを増やしていきます。部下が自分で判断するための情報をインプットすることが必要になるように仕向けると、ほかの人に聞いたり、本を読んだり、セミナーに参加したりして、自立に向かって自らいろいろと動き始めます。そのきっかけを作ることが課長の大切な役目です。
その過程をしっかり見て、適切なタイミングで「承認 」すると、より効果的です。時間はかかると思いますが、自分で判断して成功した体験が増えてくると部下自身も楽しくなり、自立した行動が加速されていきます。






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