職場を生き抜け!

2008年12月17日

【第51回】私の上司は「能力」が低すぎます!

〜上司にさりげなくアドバイス〜


 2の「管理職として部下を育成、指導する」についてすが、上司のこの能力が低いと、その部署はいつまでも人が育たないため、スタッフ全員の力で一定のスピードで仕事を処理していくことができません。スタッフ間の力の差が大きくなり、人間関係がぎくしゃくすることもあります。
 
 これもまた、部下からすると迷惑です。私の会社員の頃で言えば、30代後半の時に仕えた上司のこの能力が低く、率直なところ精神的に疲れました。

 厳しいことを述べると、部下が上司のこの力を上げるのは難しいと思います。本人に罪の意識はなく、むしろ「俺は部下を育てている!」と思い込んでいる節すらあります。

 こういった人を相手にするのは、得策ではありません。あなたが経営者ならば、彼と徹底して話し合うべきですが、部下がそのようなことをする必要はないし、すべきではありません。

 ただし、あなたができることは多少なりともあります。職場の同僚らを観察し、彼らのどういった力がどれくらい足りないか、そしてどのようにして補えばいいのかを考えてみましょう。自分が部下を持ったつもりになり、「どうしようか」と想像してみるのです。

 真剣に考えると、人の育成を考えるのは難しいはず。この作業をすると、上司がまんざら「バカ」には見えなくなるでしょう。彼も、それなりに育成らしきことをしているのです。

 そうやっていくと、次第に上司の部下育成能力をリアルに把握できるようになります。

 上司の力を具体的にとらえると、職場の問題がリアルに見えます。経営陣の考えや、人事部の採用・育成方針、さらには人事制度、賃金制度なども関係しているでしょう。会社の歴史や文化、もしかすると社内の労働組合の影響もあるかもしれません。

 このようにいくつもの要因が重なり、現在の問題が生まれているのではないでしょうか。だから、1人の管理職を「この人は能力が低い!」と批判するのは難しいのです。

 ここまですると、あなたの「職場の見取り」は的確になります。さらにここで、もう少し考えましょう。

 上司の部下育成力の弱点を把握したら、上司にいくつかの話を持ち出しながら(=遠まわしに本題にアプローチしていく)、その弱点に気づいてもらえるようにしてみましょう。

 これは相当難しい試みですが、あくまでソフトに、遠まわしに試みましょう。仮にうまくいかなくても構いません。

 やや話がそれますが、大切なことなので述べます。20代〜30代前半までくらいの人で、「上司の能力が低い!」と批判する人は、妙な正義感をもっているように私には思えます。

 妙な正義感とは、「自分が何かをしないと、職場はおかしくなってしまう」という思いに近いものがあります。自分がかつてそういうタイプであったからか、この人たちの心理がよく分かるのです。

 しかし、会社は1〜2人の上司の力が低くても、大きな損害を被りません。経営破たんすることなど、ありえないでしょう。それよりはあなたは目の前にいる、冴えない(と思う)上司を反面教師として、マネジメントなどを学ぶ方がメリットがあります。

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このコラムについて

職場を生き抜け!

「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで--。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。毎回、マニュアル本では書かれなかった企業人の“本音”“ナマの声”を踏まえた現実の回答を探る。

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