職場を生き抜け!

2008年12月17日

【第51回】私の上司は「能力」が低すぎます!

〜上司にさりげなくアドバイス〜

読者からの“タレコミ”

 もう嫌になるくらい上司がダメな人なんです! 仕事はできないし、部下の育成もできていないし、何をやってもできない。部下の私たちはどうすればいいのでしょうか?

人事ジャーナリストが返信

 会社員を続けていると、能力の低い(と思われる)上司は必ず現れます。私も会社員の頃を思い起こすと、少なくとも3人の上司がすっと浮かんできます。このタイプは鈍感な人が多く、部下からすると精神的に疲れます。

 そんな人でも、上司は上司です。部下であるあなたは、それはそれで認める必要があります。

 あなたに尋ねます。「上司の能力が低い!」の「能力」とは、何を意味するのでしょうか。

 単に「能力」と言ってもいろいろあるでしょう。「職務遂行能力」とか、組織をスムーズに動かし、一定の業績を出していく「マネジメント能力」などです。

 こうした「職場の見取り」(=観察)は、鋭くする必要があります。
 
 やや話がそれますが、私が取材をしていて感じるのは、ビジネスで成功していく人とそうでない人の間には、「職場の見取り」という点で、はっきりした差があることです。

 ここ3年程の間に取材させていただい中で、印象に残っている人で言えば、作家の江上剛さんや、リンクアンドモチベーションの小笹芳央社長、キッザ二アの住谷栄之資社長などです。

 彼らは会社員の頃をリアルに語ってくださったのですが、20年近く前のことであるにも関わらず、まるで2〜3週間前のように話すのが印象的でした。

 いずれの話も具体的で、イメージが湧いてくるものです。職場を普段からよく観察していたからこそ、具体的に振り返ることができたのでしょう。あれだけ「職場の見取り」ができると、当時の上司は彼らを使いやすかったのではないかなと私は思います。

 一方で、会社で排除される人の共通項は、職場の実情に鈍いこと。

 リストラなどで追い出される人に会社のことを尋ねると、「上司の能力が低い」「自分のレベルは周囲と変わらない」などと、漠然と話す場合があります。

 あなたは、職場の見取りをきちんとできていますか? この際、上司を冷静に観察してみましょう。少なくとも、あなたの上司は以下のようなことをしているはずです。

 1 部署のスタッフの1人として部下と同じ仕事をこなす
 2 管理職として部下を育成、指導する
 3 管理職として組織をスムーズに円滑に動かし、業績を上げる

 上記1〜3までのうち、あなたの上司はどの能力がどのくらい低いのでしょうか。そして、そのことによりどのくらいの損害が生じているのでしょうか。

 こうして尋ねると、あなたはきちんと答えられないのではないでしょうか。かつての私もそうでした。

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著者プロフィール

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
1967年生まれ。大学卒業後、通信社、放送局、出版社で、夜逃げする社長から総理大臣経験者まで、計1200人前後の取材をする。2005年独立以降は、ビジネス書、特に人事・労務分野で取材、執筆、編集を続ける。雑誌「人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)、「企業と人材」(産労総合研究所)などで執筆中。著者に「すぐに使えるビジネス文書文例400」(成美堂)、「即解!2007年問題 トピック45」(九天社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文館出版)、『非正社員から正社員になる!』(光文社ペーパーバックス)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』などがある。ライターや編集者を志す人が集う「編集の学校・文章の学校」では取材、ライティングを教えている。

このコラムについて

職場を生き抜け!

「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで--。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。毎回、マニュアル本では書かれなかった企業人の“本音”“ナマの声”を踏まえた現実の回答を探る。

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