手の指を使って数を数えたり、数字を表現する方法は世界中にいろいろある。開いた右手から始め、親指をまげて1、人差し指で2、中指で3とするやり方もあれば、手を握った状態から始め、人差し指を立てて1、中指で2、薬指で3とする人もいる。こうした素朴な方法では両手を使っても10までしか数えられないし、10までしか示すことができない。
もっと多くの数を指で数える方法もある。例えば、指をコンピュータのビットに見立てた2進法だ。プログラマーならそれでも分かるが、普通の人には分かりづらい。もっと簡単に分かって、しかもはっきり99までの数を示すには、手話の数表現を使うと便利だ。

数字の7を表現するときは、親指と人差し指、中指を伸ばす。親指が算盤の5珠に相当し、ほかの指が1珠に相当する

原理が分かるとこれで73という数字が簡単に表現でき、また簡単に読み取れる
手話にはいろいろな種類があるが、日本で一般的に利用されている手話で数字を表現するときは、まず片手を使い、人差し指を1本立てて1を示す。2なら人差し指と中指でピースの形にする。立てる指の数を増やして4まで表現できる。
この先の5が重要になる。5のときは、親指だけ立ててほかの指を閉じる。欧米だとグッドのサインになる。6の時は、立てた親指に加え、人差し指を開く。子どもが手でピストルの形をまねるようになる。なぜ親指だけが5で、これに人差し指を加えると6になるのか? 算盤の原理だ。5珠と1珠が手で表現されたと考える。
手話の場合、10を表現するときは、1で伸ばした人差し指を曲げる。11なら人差し指を1回曲げて次に伸ばす。このように2ステップで片手で99まで表現できる。しかし、2ステップあると動作が加わって見づらいことがある。
両手が使えるなら10の位の数字は左手を使うとよいだろう。両手を使えば、瞬時に0から99までの数字が表現できる。意外と原理だけわかれば、それほど練習をしなくても使えるようになる。
価格交渉の際など、一言も出さすにチームに瞬間的に詳細な数字を伝えることができると便利なものだ。この場合、両手をじゃんけんのグーの形にしてかまえ、伝えたい相手の視線を捕まえたら、さっと数字の形にしてグーに戻せばよい。
テクニカルライター。1957年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、同大学院で言語学を学ぶ。1990年前半友人と翻訳・テクニカルライティング事務所を経営。1994年末、インターネットによる遠隔地業務可能に合わせフリーランスとなり沖縄に移住。2002年東京に戻り現在に至る。「日経クリック」(現在休刊中)で10年間Q&Aを担当。日経トレンディネットネットで起きてる最新トレンド、およびGoogle調査隊のコラムを執筆中。著書、『ブラウザのしくみ』(技術評論社)、『Ajax実用テクニック』(ナツメ社)など。





