ロスジェネ世代の叫び!

2008年10月21日

同棲はかまわないけど、結婚はムリです

【15】孤高のフリーライター、高嶋徹の場合

<今週のボク様>
年齢:31歳
仕事:フリーライター
年収:800万円
学歴:都内の有名私立大学卒
住まい:一人暮らし
兄弟構成:弟(未婚)、妹(未婚)

 仕事で世話になったことがある同世代の編集者、高嶋徹氏(仮名、31歳)が数年前に独立し、ビジネス系のゴーストライターとして活躍している。本を作りたいが文章は下手な社長などの話を聞いて、あたかもその社長が書いたかのように仕上げる仕事だ。10万字は書かなければ本の体裁にはならない。僕のように雑誌で書き飛ばしているライターと違い、かなりの忍耐力が必要となる。締め切り前は何日間も部屋に閉じこもって働いているようだ。

 しかし、高嶋氏はそんな孤高の生活が気に入っている。人当たりはすこぶる良い高嶋氏だが、「本当はできるだけ他人と会いたくない」のだという。意外だった。近所に住んでいることもあり、我が家でカレーライスを食べてもらいながら話を聞いた。

大宮(以下、O) 今日はわざわざお越しいただいてすみません。
高嶋(以下、T
 いえいえ。フリーランス同士、助け合いましょうよ。何でも聞いてください。

話さなくちゃいけないことがストレス

O ありがとうございます。先ほど「1人でいる方が好き」とおっしゃっていましたが、本当なんですか? 今まで何度も一緒に飲んだじゃないですか。ショックです(笑)。
T
 大宮さんも含めて数少ない友人とは、こうしてたまに会うのは楽しいんですよ。でも、僕は小さい頃から基本的に人嫌いで、弟たちとも過去15年間、一言も会話をしていないぐらいです。学生時代は部屋の中に閉じこもって、音楽を聴いたり本を読んだりして過ごしていました。出版業界に入った理由も、嫌でもいろんな人と話さなければならない環境に身を置いて、こんな自分を直したいなと思ったからです。

O 高嶋さんが、僕たち下っ端ライターにもやたらに丁寧に接してくれた理由がわかったような気がします。いきなり本題に入りますが、女性関係はどうなんですか?
T
 2年ほど前に、4年間同棲していた女性と別れました。好きな人が近くにいてくれるのは嬉しかったのですが、「話さなくちゃいけない」ことがストレスになり、積もり積もって我慢できなくなりました。いい人だったんですが…。仕事でも人に会って、家でも人に会うのは僕には向いていないのかもしれません。最後の方は「逃げ場が欲しい」と常に考えるようになってしまいました。

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著者プロフィール

大宮 冬洋(おおみや・とうよう)
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。『日経ビジネスアソシエ』、『プレジデント』、『きょうの料理ビギナーズ』、『dancyu』などで執筆。バブル経済を謳歌した人々のおバカな思い出話を聞く「バブルに学べ!遊ぶ力」も連載中。著書に、『30代未婚男』、『ダブルキャリア』(ともに共著/NHK出版)がある。最近の課題は「自炊」。食生活ブログをほぼ毎日更新中。

このコラムについて

ロスジェネ世代の叫び!

「あなたたちは『ボク様』なのよ!」。久しぶりに会った女友だちが喫茶店の席に着くなり叫んだ。3年も同棲している恋人(31歳)への不満が募っているみたいだ。「あなたたち」って、僕も? 「ボク様」ってどういう意味?どうやら彼氏と僕(同じく31歳)には共通点があるらしい。(1)自分の仕事や趣味で精一杯で、他人への関心が薄い。(2)傷つくのが怖い。「オレについて来い」的な甲斐性ゼロ。(3)「いずれ結婚しよう」とは思っているが今は決断できない−−。自己中心的なところは「オレ様」と同じだが、自信も決断力もないので「一見優しいけれど、実は頼りないボクちゃん」なのだという。ちょっと言い過ぎだろ…。大学3、4年生で就職氷河期を経験したことから「ロストジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれてきた僕たち。現在26〜36歳になっている。いつ結婚してもおかしくない年齢なのに未婚率は高い。僕たちが失ったものは就職機会だけではないのだ。いつまでも「ボク様」なのが原因なのかもしれない。でも、僕たちにもそれぞれ事情はある。男同士で酒を飲めば、こぼしたくなる本音があるんだ。僕たちの話を聞いてください。笑い飛ばしてもいいから。

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