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潜在“脳力”を活かす仕事術ビジネス

潜在“脳力”:【14】「赤色」は学習意欲や認知機能を低下させる(2/2ページ)

2008.10.06

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 こうした赤色の効果をどう説明したらよいだろうか。様々な可能性が考えられるだろう。例えば、カナダ・アルバータ大学のシンクレア博士は、以下のように説明する。

勉強部屋に赤色系のカーテンは厳禁

 赤色や黄色などの長波長の光は「幸福感」と関連している。幸福感は一種の充足感であり、充足感は学習欲を、ひいては認知機能を低下させる。たしかに、人は満足するとそれ以上を欲しなくなる傾向がある。

 こうした諸説のなかで示唆に富むのが、先ほどのエリオット博士が行ったもう一つの実験である。IQテストにおいて「容易な問題」と「やや難しい問題」を用意し、どちらかを選んでもらうというものだ。驚くなかれ、赤色のグループでは「容易な問題」を選ぶ率が高かったというのだ。

 どうやら赤色は志気を奪ってしまうようだ。ヒル博士は「赤色は相手を無意識のうちに威嚇し、優位に立ちやすい状況を作るのではないか」と推測している。この考えに基づけば、先のボクシングの勝敗データにも納得ができる。

 勉強部屋に赤色系のカーテンは厳禁とはよく聞くが、それも根拠があってのことかもしれない。

池谷 裕二(いけがや・ゆうじ)
池谷 裕二(いけがや・ゆうじ)

 東京大学大学院薬学系研究科准教授。1970年静岡県生まれ。記憶や発想など、脳の働きを分かりやすく解説することで定評がある。著書に『記憶力を強くする−最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』 『進化しすぎた脳』(ともに講談社ブルーバックス)、『海馬−脳は疲れない』(新潮文庫・共著)、『単純な脳、複雑な「私」』(朝日出版社)など。

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