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トップクリエーターの仕事術

奥山清行【1】未来の顧客が本当のクライアント

Associe

 今年3月に開催されたジュネーブモーターショーで公開された2台の限定生産ライトウエイトスポーツカーが、会場の話題を集めた。KEN OKUYAMA DESIGNのスタンドに展示された「K.O 7」と「K.O 8」だ。このスポーツカーは、工業デザイナー、奥山清行の新しいデザインビジネスへの挑戦を具現化したものだ。

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今年3月のジュネーブ国際モーターショーで好評を博したライトウエイトスポーツカー「K.O 7」。生産は岩手県一関市の試作メーカー、MODIが担当する。(写真:村田昇)

ビジネスモデルのデザインが最大のチャレンジ

 今のデザイン業界の問題点として、クライアント企業の意向に沿ってしかモノが作れないことが挙げられる。「非常に乱暴に言えば、そのクライアントが常に正しいとは限らない。5年先、10年先に商品を買ってくださる人が、僕らデザイナーにとっての本当のクライアント。難しいのは仕事を発注してくれる目の前のクライアントと、本当のクライアントの間の意見が合わない場合が多いことだ」と奥山は指摘する。

ALBERO

山形工房の製品から、天童木工のコートハンガー「アルベロ(ALBERO)」(14万700円/税込)。森の木々をイメージしたデザイン

 この問題を解決する一番の方法は、デザイナー自身がブランドと商品を作り、未来の顧客に発信することだと奥山は考えている。

 しかし、それを実現するためのハードルは高い。当然ながら経済的なリスクもあるし、デザイン以外の仕事に多くの時間を割かれることも覚悟しなければならない。

 奥山が理想としているのが「ポルシェデザイン」だ。外部の様々な企業の仕事を請け負う一方で自社ブランドを持ち、ショップも展開している。奥山もピニンファリーナから独立した後、山形工房で地場の企業の商品開発をサポートしながら、KEN OKUYAMAのブランドを冠したメガネを手がけ、自身のビジネスを目指す方向に進めてきた。その延長線上で「一番得意な車に進むことは自然の流れだった」と奥山は振り返る。

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