職場を生き抜け!

2008年6月25日

【第27回】先輩の陰険な「いじめ」に悩んでいます・・・

〜状況を書き出して整理し、効果的な対策を練る〜

読者からの“タレコミ”

30代半ばの先輩から厳しく叱られることがとても多くて悩んでいます。それは、いじめに感じるほどです。周囲も「見て見ぬ振り」です。どうしたらいいのでしょうか?

人事ジャーナリストが返信

 難しいですね。先輩が厳しく言うのは、もしかすると、あなたのことを思って「指導」していると捉えることができるかもしれないからです。

 「いじめ」と「指導」の“曖昧な関係”は、職場サバイバルを考えるうえでぜひとも心得ておきたいところです。

 いじめは、「こういう場合はいじめなんだ」と定義がないことが問題です。いじめを受けた人が、外部の労働組合に訴え、団体交渉を申し入れた際には、部長や役員(特に人事部長、人事担当役員)たちは決まってこう言います。

 「あれ(=いじめ)は、〇〇部長が〇〇君のことを思って指導をしていただけだ。決して、いじめではない!」

 これは、労働基準監督署の紛争捜査官や、労政事務所の調停員が、会社に連絡を入れて話し合いの場を設けた場合でも、同じような回答が返ってくると言います。

 都内の労働相談センター(旧労政事務所)の元職員は、「会社側は95%の確率で、“いじめ”とは認めない。あくまで、“指導”と主張する」と話します。

 果してそうでしょうか?
 筆者が企業を取材している限り、こうした事例は、やはり、いじめにしか映らないことが多いのです。どう見ても、指導とは言えないように感じます。

 悲しいですが、これが職場の一断面であると筆者は考えています。つくづく思いますが、会社はそう簡単には「非」を認めない組織なのです。

 こうした事実を受け入れたうえで、あなたはどうすればいいのか?
 先輩から必要以上に厳しく叱責を受けても、「はい、はい」と言いなりになっていれば、解決するのでしょうか?

 率直に思うことを述べると、その可能性は低いのではないかと思います。むしろ、先輩はあなたを「無抵抗な奴」と見て、いじめをエスカレートする可能性すらあります。

 少なくもと、筆者が労使紛争や裁判になる労働事件を取材すると、いじめは簡単に止まらず、放置しておくことは「最悪の対応」と思えてならないのです。
 
 と言いつつも、筆者は、あなたが先輩と激しく争うことを奨励しません。争いは極力避けるべきでしょう。

 職場においての感情的な対応は、あなたにとってマイナスになる確率の方が高いと断言できます。賢明な人は、職場のからくりを見抜いて冷静に「反撃」することを考えてください。

 そこで、筆者が20代後半のころ、当時30代後半のA先輩から執拗に受けた攻撃に対し、どのように対応したかを述べます。参考にしてみてください。

 半年以上に渡り、攻撃を受けた筆者は、まず、職場の状況を書き出しました。この連載で、このように書くことを何度か試みていますが、職場の実態を押えるためには、書いてみることが本当に大事です。絶対にお勧めします。

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著者プロフィール

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
1967年生まれ。大学卒業後、通信社、放送局、出版社で、夜逃げする社長から総理大臣経験者まで、計1200人前後の取材をする。2005年独立以降は、ビジネス書、特に人事・労務分野で取材、執筆、編集を続ける。雑誌「人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)、「企業と人材」(産労総合研究所)などで執筆中。著者に「すぐに使えるビジネス文書文例400」(成美堂)、「即解!2007年問題 トピック45」(九天社)、『年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文館出版)、『非正社員から正社員になる!』(光文社ペーパーバックス)、『あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』などがある。ライターや編集者を志す人が集う「編集の学校・文章の学校」では取材、ライティングを教えている。

このコラムについて

職場を生き抜け!

「夜逃げした社長」から「総理大臣経験者」まで--。これまで計1200人を取材してきたジャーナリストが、読者から寄せられた「職場の悩み」に答えるべく、専門家、企業の人事担当者への取材を敢行する。毎回、マニュアル本では書かれなかった企業人の“本音”“ナマの声”を踏まえた現実の回答を探る。

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