インターネットを活用したビジネスは、初期投資や法令規制などによる参入障壁が低い。そのため、ミュージックセキュリティーズがスタートした2000年前後にも、多数のベンチャー企業が生まれ、将来性を期待して投資も集まった。しかし、2008年の今、生き残っているのはわずかでしかない。当時のベンチャーの盛り上がりが「ネットバブル」と呼ばれるゆえんだ。
しかし、大学を卒業して間もない若者がたった一人で立ち上げたミュージックセキュリティーズは、たくましく生き残り、音楽業界のメジャー各社からも一目を置かれる存在にまで成長した。その理由はどこにあったのだろう? 同社のビジネスモデルが優れていた点、そして資金面での支援者の存在は前回紹介した通りだが、それだけではなかったはずだ。

ネットバブルに流されなかった
「1つには、ミュージックセキュリティーズがゆっくり時間をかけて大きくなったことが、結果的に良かったと思っています。資金の少なさから合資会社としてスタートしたのですが、それが1年後にようやく有限会社になり、さらに半年後に株式会社になったんです。大規模な投資をいただいて、急激に大きくなることもできた時代だったのかもしれませんが、そうすべきではないと教えてくれる方々もいて…」
そもそも、一般の音楽ファンも巻き込んで展開するのがミュージックセキュリティーズのファンド事業。リターンに到達するまでに時間のかかるビジネスだ。それゆえに、前回紹介した通り、当初は資金調達に苦心したわけだが、だからといって急速な規模の拡大は目指さず、事業そのものの熟成を小松氏は進めていった。






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