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人を組み替える

2015.03.31

「コミュニケーション」は「伝達」ではない──語源から分かる本当の意味

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

教育 コミュニケーション 意識改革

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

社内の風通しを良くしてコミュニケーションが溢れる職場にすれば、日常的に社員同士が交流し、付加価値をつけるためのアイデアが自然とわき出てくる。そのようにしてイノベーションを起こすための風土は醸成される。

さて、今回はこの「コミュニケーション」という言葉について、あらためて考えてみたい。この語源をご存知だろうか。「日本人はコミュニケーションが苦手だ」「もうちょっとコミュニケーションを良くしたい」など、何気なく日常的に用いている言葉だが、この語源を知っているとコミュニケーションに対する意識も変わる。

この語源は、ラテン語の「Communus(コミュナス)」から来ている。この“Commu(コミュ)”という言葉が頭につく単語は多い。15秒ほどでどれぐらい挙げられるか、ちょっと考えてみてほしい。

 

「コミュニティー」「コミューン」「コミュニズム」、そして「コモン」といった言葉を思い浮かべた方もいるかもしれない。このように言葉を集めてみると、「コミュニケーション」という言葉が「伝達」という意味とは少し違って感じられるのではないだろうか。実は、この“コミュ”という接頭語がつく単語は、すべて“共有する”という意味を含んでいる。

つまりコミュニケーションとは、こちらの脳にあるイメージを相手の脳に伝達すればいいということ(いわゆる「説明(Explanation)」)ではなくて、自分の脳にあるイメージと相手の脳にあるイメージを“共有する”ということなのである。自分が思うことを一方的に相手に伝えるだけではコミュニケーションとは言えない。自分と相手との間に共有点を見つけ出し、共有したことをアイデアとして浮かび上がらせることによって、コミュニケーションは相乗的に深まっていくのだ。

こうしたイメージ共有の習慣が社内に広まれば、イノベーションも起こりやすくなる。前回紹介した「絆を深めるためのインタビューゲーム」は、そういう意味でも非常に有効だ。ぜひ試してもらいたい。

併せて読みたい、編集部からのおすすめ記事
自己紹介は自分の「像」、自分プレゼンは相手の「像」

プレゼンテーション(Presentation)とは「相手の頭の中」に関することであり、自己紹介および説明(Explanation)という「自分の頭の中」に関することと、明確に分けて認識しておく必要がある。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。