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人を組み替える

2015.03.30

【要望】真の「要望」を見極めれば抵抗勢力も味方になる

岸良 裕司

組織全体を最適化する科学的思考3分セミナー

意識改革 組織 最適化

企業の成長を阻む課題や問題を発見し、改善を図る。その成否を分けるのは、経営者の「考える力」です。このプログラムで科学的に考える力を鍛え、組織全体の最適化を実現する経営能力を養いましょう。講師は、ハードサイエンス(自然科学)の考え方を活用した全体最適のマネジメント理論TOC(Theory Of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践し、その成果が国際的に高い評価を得ている岸良裕司さん。変化の激しい時代を生き残るための知恵とヒントがここにあります。

よう‐ぼう【要望】エウバウ
もとめのぞむこと。つよく期待すること。「―書」「―にこたえる」
[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]

【要望】真の「要望」を見極めれば抵抗勢力も味方になる

「○○したい」「○○になりたい」「○○が欲しい」と人が要望を持つのは自然なことである。

何がしかの要望は、人に行動を引き起こす動機になり得る。その行動を考えてみると、現状をもとに、「○○したい」「○○になりたい」「○○が欲しい」という要望を抱き、こうすればうまくいくはずだという仮定をもって行動を起こしている。つまり、現状、要望、仮定の3つがあって、人は要望を満たすための行動を引き起こしていることになる。

抵抗勢力と言われ、変化を断固拒否している人。ひどい時には、感情的な議論にさえなってしまう場合もある。しかし、その行動が一見、いかに理不尽で感情的に見えていたとしても、その要望を聞いてみると、もっともだと思えることも少なくない。

意固地になって変化に抵抗している人でも、その背景には何らかの隠された要望があるはずである。それは、変化すると現在の安全が損なわれることを恐れているのかもしれない。この場合、その隠された要望は「安全を確保する」ということになる。「安全を確保する」という要望のために「変化に抵抗する」行動を取っているだけで、言い換えれば「変化に抵抗する」行動をしているのは、「安全を確保する」という要望を満たすための手段としての行動に過ぎないのだ。

では「変化に抵抗する」ことで、本当に望んでいる「安全を確保する」ことができるだろうか? むしろ変化しないことで、本人が望む肝心の「安全を確保する」ことを危うくしてしまうことさえあり得る。つまり、「変化に抵抗する」ことで安全が確保できると思う仮定に思い込みがあるかもしれないのだ。

本来の要望が「安全を確保する」なら、「変化する」ことで相手が望む「安全を確保する」ことができることを示してあげれば良いのである。そうすれば、抵抗勢力だって味方になりうるのだ。

一見、理不尽な行動に出会ったら、まずは何をしたいのか相手の要望に目を向ける。そしてその要望を満たす、より良い他の手段を考える。これを繰り返し続けることは、自然に相手の要望を考える訓練になる。

相手の要望を考えるとは「相手の思いを考える」、言い換えれば「思いやりを持つ」と言うこと。それは、思いやりのある人間に成長していくことにもつながる。

TOCとは
企業収益の鍵を握る「制約条件」にフォーカスする事によって、最小の努力で最大の効果(利益)をあげる全体最適のマネジメント理論。ベストセラー小説『ザ・ゴール』の著者で物理学者のエリヤフ・ゴールドラット博士によって開発された組織経営のための理論である。

イラスト
きしらまゆこ(絵本作家・イラストレーター)

大阪府生まれ。黒井健氏、高畠純氏らに師事。2003年「うさぎくんのぼうし」で絵本作家デビュー。主な作品は『ラッキー☆ガーコ』『ぶたがきにあたる』『サンタのいちねん トナカイのいちねん』『よくばりおおかみ』他多数。絵本の他に実用書やビジネス書などの挿絵、キャラクターグッズのデザインなどイラストレーターとして幅広く活躍する。
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思った通りにうまくいかないことがあるのは世の常である。組織内外のさまざまな要因が複雑に絡み合う現実のなかでは、思ったようにうまくいくということは極めて難しい。そして失敗に直面した時、人はがっかりしたりする。

プロフィール

岸良 裕司 (きしら ゆうじ)

ゴールドラット・コンサルティング・ジャパン代表取締役。日本TOC推進協議会理事。1959年生まれ。TOC(Theory Of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践。活動成果の一つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ゴールドラット博士の絶賛を浴び、07年4月に国策として正式に採用される。成果の数々は国際的に高い評価を得て、08年4月、ゴールドラット博士に請われてゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任した後、日本代表となる。主な著書に『全体最適の問題解決入門』『考える力をつける3つの道具』『最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント』『よかれの思いが会社をダメにする』『出張直前!一夜漬けのビジネス英会話』などがある。