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特集

2015.03.27

中小企業の約7割は、後継者について考えていない

小さな組織では何が経営課題か?

~「経営とITに関する調査」から~

IT 事業承継 小さな組織

2014年12月、本サイトの想定読者層にあたる企業、特に従業員100人未満の企業の経営者を対象に、「経営とITに関する調査」を実施した。回答数は300件。調査の目的は、経営者の自社企業に対する「経営課題とその重要性と対応」、および「経営を支えるためのIT基盤」と「経営に活かすためのITの活用実態と方向性」を分析すること。このコラムでは、その調査結果に基づき、「企業を継続するためには、儲けるためには経営者として“何をどう考えるべき”か?」、そして「ITを経営に活かすためにどうすべきか?」について分析していく。

前回の企業ペルソナに関する概説に続き、今回は調査結果のサマリを紹介する。

「中小企業及び小規模企業 経営とITに関する調査」概要(PDFダウンロード

調査で明らかになった特徴的な事実、そして改めて確認できたことは、「約半数の経営者が創業者」であり「約7割は50代以上の経営者」ながらも、「約7割が次の継承者について考えていない」ということだ。全般的な企業の経営を次の世代につなぐための方法や施策について論じることを目にする機会は多いながらも(小さな組織の未来学でもテーマとして注目している)、継承すべき相手を今現在の検討事項として想定する中小企業は、約3割と半数にも満たない結果だった。

調査結果を経営とITの二つの分類で見たときに、特徴的な傾向を示したのが以下の項目である。

「経営全般」
1. 50代以上の経営者が約7割(69.4%)
2. 企業経営者の約半数(53.7%)は創業者が社長である。
3. 会社の後継者が決まっている会社は約3割強(32.7%)
4. 売上が伸びている(前年並みも含む)会社は全体の約7割(69.7%)
5. 「信頼のおける会社であること」を経営課題としているのが約8割(77.0%)
6. 企業PRが大事だと考えている企業が約4割(40.7%)
7. 新規事業を重要だと考えている企業は4割に満たない(36.7%)
8. 海外展開を重要だと考えている企業は約2割(22.0%)

「IT関連」
1. IT担当者の4割強(43.0%)は社長が兼任している
2. IT担当者がいるのは2割に満たない(16.0%)
3. HPがある会社は半分以下(45.0%)で、そしてその約4割(40.7%)は不満に思っている
4. IT関連の相談先はプライベートな友人・知人が約4割(40.3%)
5. スマートフォンは約2割(18.7%)が会社支給で利用している
6. クラウドサービスを利用しているのは2割に満たない(16.0%)
7. フェイスブックなどのSNSは15.3%の利用率

経営課題別重要度
ITシステム導入状況

これらの結果から浮かび上がる典型的なイメージは、それほど若くなく、保守的な経営者だろう。経営課題として「信頼のおける企業であること」が8割近くを占めるわりには、「企業のPRを重要視する」のが4割程度という結果からは、思いはあるが実際には手をこまねいて、一歩先に踏み込めていないということが読み取れる。そして企業のホームページを作っている会社は半分以下(45.0%)であり、その内4割は不満に思っている。

今のところ断定するには早いが、多くの企業は経営課題に対して思いはあるが十分に取り組んでおらず、思い切った経営戦略のために投資するという段階にはないようだ。まずは現状のままで、少しでも改善できれば良いという、極めて保守的な経営マインドが感じられる。投資というにはあまりに現状が厳しく、まずは喫緊の課題であるところに集中せざるを得ないということかもしれない。「新規事業が重要だ」と考えている割合も36.7%と4割に満たない結果が、端的に現状維持的な経営体質を物語っている。

ITに関しても、クラウドサービスやSNSといった新しいテクノロジーを活用する割合が2割に満たず、いかにも少ない。小さな投資で大きな効果を生む可能性を秘めるのがIT/クラウド活用であり、特に中小企業にとっては貴重なツールのはずだ。新しいツールを使うことが企業経営に即役立つことと同義ではないが、それにしても低い利用度合いだと言える。

次回からは具体的な調査結果から、何が実際に中小企業の経営を持続させ、儲けさせるためのキーファクターとなるかという視点で分析レポートを行う。

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2014年12月、本サイトの想定読者層にあたる企業、特に従業員100人未満の企業の経営者を対象に、「経営とITに関する調査」を実施した。回答数は300件。このコラムでは、その調査結果に基づき、“何をどう考えるべき”か分析していく。

プロフィール

小さな組織では何が経営課題か?

小さな組織の未来学では2014年12月、想定読者層にあたる企業、特に従業員100人未満の企業の経営者を対象に「経営に活かすITの活用実態に関する調査」を実施しました。ここでは、その調査結果を紹介し分析していきます。調査を行ったのは株式会社ノークリサーチ。