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人を組み替える

2015.03.05

自己紹介は自分の「像」、自分プレゼンは相手の「像」

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

コミュニケーション プレゼンテーション 教育

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

前回は、初対面の15秒で「つかむ」ための自分プレゼン術についてお話しした。今回は、相手に通じるプレゼンテーションとは何なのか、その肝要についてあらためて考えてみてもらいたい。

単なる自己紹介と自分プレゼンでは、効果が全く異なるものになる。自己紹介だけしたところで、相手の頭には響かない。人が自己紹介をしようとするとき、まず自分の頭の中に「自分がどういう人であるか」を思い浮かべる。そして、それを順序もはっきりさせながら、正しく述べようとするはずだ。つまり自己紹介とは、自分の頭の中にあることを述べる行為となる。その言葉は、相手の頭の中でどのような「像」を結ぶかとは無関係だ。

プレゼンテーションというものは、相手の頭の中にどのような像を結ばせるかということに他ならない。例えば前回のような「こんにちは、教育界のさだまさしです」というキャッチフレーズは、相手がさだまさしを知っているという前提で使わなければ意味がない。同じように、沖縄在住の北島三郎に良く似た人が「こんにちは、沖縄の北島三郎です」と言ったところで、北島三郎を知らない人が笑うわけもない。

この点は、非常に大事なところなのだ。プレゼンテーション(Presentation)とは「相手の頭の中」に関することであり、自己紹介および説明(Explanation)という「自分の頭の中」に関することと、明確に分けて認識しておく必要がある。この違いを意識しながら、プレゼンテーションを「相手の頭の中に像を結ばせる」行為として考えはじめると、その結果は全く別次元のものになる。

身近な例を一つ挙げておこう。電車のドアが閉まる際、職員が「危ないですから駆け込み乗車はおやめください」といったアナウンスをすることがある。「危ないですからおやめください」という表現は、自分の側から見た説明でありExplanationだ。これをPresentationにするには、どういう表現が考えられるか。例えば、「もう次の電車が来ております」ではどうだろうか。それを聞いた人は、「もう来ているならば慌てる必要はないかも」という像を頭に結ぶはずだ。

この違いを意識して、ぜひ今後のプレゼンテーションに役立ててほしい。

併せて読みたい、編集部からのおすすめ記事
初対面の15秒で“つかむ”、キャッチフレーズ型の自分プレゼン術

初対面の際、いきなり名刺を渡すのではなく、自分のキャラクターを少しでも切り出してから相手との心の距離をすっと縮め、接点をつくる技術。これが「つかみを取る」ということだ。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。