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人を組み替える

2015.02.26

「社長!」革新的な組織に変わる施策を一つ、ご検討ください

藤原 和博

社長の[よのなか]科 つなげる力 3分講座

コミュニケーション イノベーション 教育

「つなげる力」をキーワードに、新しい時代のマネジメント、リーダーシップ、イノベーションを指南する3分間動画の連載です。講師は、元リクルートフェローで、東京の杉並区立和田中学で義務教育初の民間人校長を務めた藤原和博さん。経営者としてのコミュニケーション力を研き直せるだけでなく、アイデア溢れる人材の獲得、育成につながる知恵が、ホワイトボードを使った解説とショートエクササイズを通して、自然に身に付きます。

 

あらゆる企業が革新を起こしたいと模索している正解なき成熟社会において、イノベーションが起きやすい組織風土とは、どういうものだろうか。大事なことの一つに、コミュニケーションレベルの高さが挙げられる。職場におけるコミュニケーションの質が高ければ、付加価値は日常的に生み出されていく。

ところが、制度ばかりを変えたがる会社が非常に多い。報奨金制度やアイデアコンテスト、社長賞といったものだ。制度を設けたところで、コミュニケーションを活性化させることが前提になっていないと、本質的に革新が起きやすい風土へと変貌することは難しい。よく他社の制度事例を真似して結果が出ないと嘆く人がいるが、大事なことは別のところにある。

今回はぜひ、コミュニケーションレベルを上げるにはどういう施策があるか、クリティカルシンキングとイマジネーションを働かせて考えてみてほしい。例えば一つだけ、明日から皆で行うアクションを考えてみよう。たった一つだけのアクションで、明日から皆のコミュニケーションレベルが上がっていくような方法。これを15秒で考えてみてほしい。

 

職場は様々なエリアに分かれている。例えば、午後3時には皆で集まってフルーツやお菓子を食べるというのも一案だ。正解主義にとらわれず、様々な案を考えてみると良いだろう。

ここで一つ紹介したいのは、リクルートにおける事例だ。そこでは、皆が皆を「さん」付けで呼ぶというアクションを起こしていた。課長、部長、あるいは社長でさえも、すべて「さん」付けだ。これだけで組織としてのコミュニケーションレベルは想像以上に変わる。それはなぜか。

「縦割り組織」といったように、組織というものを縦の関係で見る人は多い。そして部署や同僚など横の関係を意識する人もいるだろう。しかし家の構造に例えるならば、組織風土で大切なのは柱でも梁(はり)でもなく、それを斜めに支える「筋交い」なのだ。

上下のコミュニケーションでは命令するか反発するかといった関係に陥りがちだし、横のコミュニケーションではチャットで上司の悪口を言う程度が日常というものかもしれない。他部署の先輩や後輩、そして上司といった関係まで、「さん」付けを定着させるだけで斜めに対する意識が変革し、コミュニケーションは潤滑になる。効果のほどは、ぜひご自身の会社で確認してみてもらいたい。

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まず必要なのは、リーダーができるだけその能力を集中的に発揮できるよう、それ以外のありとあらゆることを排除することです。そして、リーダーの意志をチームのメンバーができるだけ正確に把握できるよう、連携のとりやすい現場を作る必要があります。

プロフィール

藤原 和博 (ふじはら かずひろ)

1955年東京生まれ。78年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、93年よりヨーロッパ駐在、96年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。08年~11年、橋下大阪府知事の特別顧問、14年~佐賀県武雄市の教育政策特別顧問に。キャリア教育の本質を問う[よのなか]科が『ベネッセ賞』、新しい地域活性化手段として「和田中地域本部」が『博報賞』、給食や農業体験を核とした和田中の「食育」と「読書活動」が『文部科学大臣賞』をダブル受賞し一挙四冠に。著書に『人生の教科書[よのなかのルール]』『人生の教科書[人間関係]』(ちくま文庫)など人生の教科書シリーズがある。ビジネス系では『リクルートという奇跡』、情報編集力の本質を和田中での改革ドキュメントとともに解説した『つなげる力』(ともに文春文庫)。人生後半戦の生き方の教科書『坂の上の坂 55歳までにやっておきたい55のこと』(ポプラ社)は12万部を超えるベストセラーに。最新刊は『もう、その話し方では通じません』(中経出版)。詳しくはホームページ「よのなかnet」に。